10%初日困惑 持ち帰り8%弁当を店内で 高齢者ポイント還元「面倒」

西日本新聞 一面

増税を知らせる掲示が登場したスーパー「LaLaあたご」の酒類販売コーナー=1日午前、長崎市 拡大

増税を知らせる掲示が登場したスーパー「LaLaあたご」の酒類販売コーナー=1日午前、長崎市

 消費税10%が1日、スタートした。飲食料品などに適用される軽減税率により税率8%と10%が混在し、店内飲食やポイント還元といった複雑なルールも。2014年4月以来、5年半ぶりの税率引き上げの初日は九州各地で困惑の声が聞かれた。

■「良心任せ」

 昼時、福岡市内の商業施設。休憩スペースで男性(60)がすしを頬張っていた。6貫入りのおすすめにぎりは698円で購入。税率は8%だった。ただ、店内で飲食する場合は外食扱いで、10%の標準税率が適用される。「中で食べたら10%とは知っていたけど(申告が必要なのか)よく分かんない」と首をかしげた。

 市内の複数の商業施設では「飲食ご遠慮」の場所で商品の弁当などを食べる人が多く見られた。「店内飲食は申告するよう張り紙もしており、10%分支払っているかを積極的に確認はしない。良心に任せるしかない」と担当者。熊本市のコンビニでイートインを利用した男性会社員(37)は「持ち帰り用で買って『やっぱり店内で』と気が変わったらどうしたらいいのか…」。

■間に合わず

 「制度が複雑で客への説明が難しい」。佐賀市中心部の商店街にある「中野屋ふとん店」の中野恵文社長(68)はキャッシュレス決済のポイント還元制度に不満を漏らした。一部のクレジットカードは開始に間に合わなかった。

 カードなどを持たない人が多い高齢者は還元制度の恩恵にあずかれず、置き去りにされる面は否めない。客の9割は高齢者で現金払いが大半という同市の婦人服店「キンタイ」。経営する鎌坂荒夫さん(63)は「年配層にキャッシュレス決済が広がるのか」と疑問視する。

 長崎市のスーパー「LaLaあたご」もキャッシュレス決済で5%分のポイント還元のチラシを掲示。ただ、同市の杉本和代さん(75)は「ポイントは欲しいけど、手続きが面倒だから使わない」。別の主婦(34)も「利用する人としない人で損得が生じるのはおかしい」と憤った。

 福岡市中央区のコンビニでは9月30日夕から、約2500点に上る商品の値札を張り替えた。1日午前0時すぎに来店した60代主婦は「来るのが少し遅れた。ほんの数分の差で値上げするなんて」と渋い顔だ。

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