秋の夜長、星空見上げて 神話ゆかりの星座、探せるアプリも

西日本新聞 くらし面 川口 史帆

秋の夜空に見える星座の図解 拡大

秋の夜空に見える星座の図解

星座早見盤や天球儀、コンパクトな天体望遠鏡も星空観察に役立つ

 暑さも和らぎ、夜風が心地よい季節になりました。星空観察に挑戦してみたいのですが、天体の知識はほとんどありません。家族や友人と、初心者でも楽しめる方法を教えてください。

 猫の小町と申します。福岡市科学館(福岡市中央区)のプラネタリウムで星空解説をする学芸員、丹野佳代子さん(52)に、観察のポイントを聞きました。

 秋の夜は、星がきれいに見えます。春は黄砂や花粉でかすみがち、夏は水蒸気が光を遮りやすいのに比べ、大気が澄んでいるのです。秋の空が高く見えるのも、このためです。

 人の目で見える一番明るい星を1等星、その4割ほどの明るさの星を2等星と呼び、一般的には1~6等星に分類されます。満天の星を見たいなら、街の明かりから遠ざかるのが一番。市街地で見えるのは、2等星ぐらいまでです。丹野さんのお気に入りの観察場所は、草千里ケ浜(熊本県阿蘇市)や久住高原(大分県竹田市)。都市部近辺では、できるだけ街灯の無い場所が適しています。

 月明かりにも注意が必要。直視すると、星が見えにくくなります。月が見えないように、手で視界を遮りながら観察すると効果的です。

 コンパス、星座早見盤、双眼鏡…。道具はいろいろありますが、使いこなせなくても大丈夫。見つけやすい星から探しましょう。

 日没直後、最初に見える明るい星を「一番星」といいます。季節や見る場所の緯度によって変わりますが、今年10月の九州では午後7時ごろ、南西の空のやや低い位置に明るい星が輝き始めます。これは木星です。少し後、その左側に土星も現れます。どちらも肉眼では他の星と同じように白っぽく輝いて見えますが、天体望遠鏡を使えば、木星のしま模様や土星の輪を観察できます。

 目が慣れてきたら、星座早見盤を手に星をたどってみましょう。スマートフォンで星座の位置を探せるアプリもあります。丹野さんは「秋の空は明るい星こそ少ないのですが、ギリシャ神話の登場人物が盛りだくさんです」と紹介します。

 有名なのが、ペガススに乗った勇者ペルセウスが、古代エチオピアの王女アンドロメダを怪物クジラから救い出す話。目印になるのは「秋の四辺形」です。空の高い所にある四つの2等星を結ぶと、大きな四角形になります。ペガスス座の胴体部分です。

 周辺には王女の母カシオペヤ妃、父のケフェウス王を含めた星座が勢ぞろい。「人間味豊かな物語が、空一面に繰り広げられています。本を片手に、思いをはせるのも面白いですね」と丹野さん。

 21日夜~22日未明には、オリオン座流星群が見ごろを迎えます。ただ、丹野さんによると、月が出ている時間と重なることなどから、今年は観測条件の整った暗い場所でも見えるのは1時間に10個以下だと予想されているそうです。

 夜空を楽しむためには装備も重要。10月とはいえ、夜は冷え込むので、コートなどの上着を用意しましょう。保温できる水筒に温かい飲み物を入れていくのもお勧めです。暗い場所へは、懐中電灯やヘッドライトなど、明かりを忘れずに。寝転がれる場所であれば、レジャーシートや寝袋があると便利です。

 昔の人たちは、星空を旅や航海の道しるべのほか、農作業の時期、位置や時刻を確認する手段など、生活に根差したものとして利用してきたそうです。一方、現代では、生活の中で星を見ることが少なくなりました。「ロマンを感じたり癒やされたり、どんな楽しみ方でも良い。広い宇宙が地球の外に広がっていると感じることで、日常における視野も広がりますよ」と丹野さんは話しています。

 お助けいただき、ありがとうございました。 (川口史帆)

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