天候と豊凶、神旗で占う 「最古の気象台」綾部八幡神社

西日本新聞 佐賀版 星野 楽

 「日本最古の気象台」として知られる綾部八幡神社(みやき町原古賀)。毎年夏から秋にかけ、千年以上続く神事「風神祭」があり、行列浮立(ふりゅう)が奉納され、その年の天候を占い、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願う。今年は台風が次々に接近し、8月末に記録的大雨に襲われた。異常気象が指摘される中、気候の安定と豊作を祈る農家たちを前に出した宮司の答えは-。 

 風神祭は毎年7月15日の「旗上げ神事」に始まり、9月24日の「旗下ろし神事」で終える。全国でも天候を占う祭りは珍しく、県教育委員会は2017年、県重要無形民俗文化財に指定した。

 今年の旗上げ神事では、締め込み姿の男性の氏子3人が境内のイチョウの木(高さ約30メートル)によじ登り、麻の旗「神旗」をひもで結んだ竹(長さ18メートル)を木にくくりつけた。

 その後、宮司の吉戒雅臣さん(79)が毎日、朝と夕方に神旗を仰ぎ見て観測。どのように神旗が風で巻かれているかによって、32通りの巻き方の中から、台風頻発が予想される「台風巻き」、豊作の「俵巻き」などと判断。過去の気象データと巻き方の傾向などから最終的に、その年の天候と農産物の豊凶を占う。

 「旗下ろし神事」前日の9月23日には行列浮立を奉納。町民約100人が町中原庁舎から神社境内まで約2キロを練り歩いた。今年は4年に1度、みこし2基が行列に加わる「御神幸(みゆき)」の年に当たり、地域は祭り一色に染まった。

 いよいよ迎えた24日、奉納相撲の後に「旗下ろし神事」が開始。氏子3人が勢いよくイチョウの木に登ると、神旗の付いた竹を慎重に下ろした。吉戒宮司が神旗を受け取り、あらためて眺め、最終判断を下す。

 過去には「台風襲来の恐れ」「米は良いが、野菜は心配」などと予測してきた。今年はいかに-。100人を超す見物客を前に、吉戒宮司が口を開いた。

 「今年は異常気象で予報が難しい。観測中は干ばつの兆候が出ていたが、7月の台風以降、大雨が続いた。災害が起こらないよう、神様にお祈りします」と締めくくった。(星野楽)

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