潜水艦配備へ技術向上 捕捉しにくく脅威増す 北朝鮮ミサイル

西日本新聞 総合面 塩入 雄一郎 一ノ宮 史成

 北朝鮮のミサイル開発の狙いは、兆候を探知されずに発射し、相手国のミサイル防衛(MD)網をかいくぐって標的に着弾させることだ。2日に発射したのは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられ、実戦配備されれば、発射地点が海中を移動することから脅威はより大きい。短距離弾道ミサイルでもレーダーに捕捉されにくい新型を試すなど、北朝鮮は着々と技術を向上させている。

 「SLBMとなると、(搭載した潜水艦が)日本海や太平洋に進出して撃つことになり、日本全土を明確に狙えるだけでなく、アメリカ本土に対する脅威になる」。この日、小野寺五典元防衛相は自民党本部で開かれた会合後に事態の深刻さをこう訴えた。

 今回の発射は、気圧で海中から水面に射出した後に点火する「コールドローンチ」と呼ばれる技術で、発射管をテストしたとの見方が強い。ミサイルはロフテッド軌道で打ち上げられ、二つに分離した。元海将の伊藤俊幸・金沢工業大虎ノ門大学院教授は「過去に北朝鮮が発射したSLBMより推進力が高く、飛距離も伸びた新型の可能性が高い」と話す。

 北朝鮮は5月以降、新型を含む短距離弾道ミサイルなどを10回にわたり発射してきた。放物線を描く軌道が一般的だが、このうち新型は低高度で飛行し、最終段階で上昇する変則軌道だったことが分かっている。

 河野克俊・前統合幕僚長は「着弾直前の軌道を複雑化する実験かもしれない。この技術は中距離、長距離への転用が可能だ」。政府高官も「ミサイルは撃てば撃つほど精度が上がる」と警戒を強めている。 (塩入雄一郎、一ノ宮史成)

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