首相「強く非難」強調 米の出方読めずジレンマも 北朝鮮ミサイル

西日本新聞 総合面 塩入 雄一郎 古川 幸太郎

 北朝鮮の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことは安全保障上、看過できず、安倍晋三政権は国際社会に訴えて北朝鮮に強いメッセージを発信する必要に迫られる。だが、頼みの米トランプ政権は短距離弾道ミサイルを事実上容認してきており、どう出るかは読めない。日米の温度差を露呈させられない「ジレンマ」が浮き彫りになった。

 安倍首相は2日、官邸で「ミサイル発射は国連安全保障理事会の決議違反であり、厳重に抗議し、強く非難する。米国をはじめ国際社会と連携しながら、国民の安全を守るために万全を期す」と強調した。

 EEZ内へのミサイル落下は、日本の船舶や航空機に直接的な危険を及ぼす重大事態だ。より高性能な潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が使用されたとみられることも含め、政府関係者は北朝鮮の挑発が「新たなフェーズ(局面)に入った」と話した。

 北朝鮮を抑止するには米国の協力が不可欠だが、トランプ氏は短距離弾道ミサイルを問題視していない上、非核化協議のテーブルにも着こうとしている。首相としては、拉致問題解決の糸口を米朝交渉に期待したい側面もあり、「トランプ氏に強硬な態度に出るよう求めにくい」(官邸筋)。

 米側の出方をうかがうかのように、この日、国連安保理の緊急会合招集を求める声は上がらなかった。菅義偉官房長官は「今後の安保理の対応を予断することは差し控える」。難しい立ち位置がにじんだ。 (塩入雄一郎、古川幸太郎)

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