NZ呼んだ「スマイリー」 別府商議所・西会頭 交流25年 キャンプ誘致、試合満喫 「この時間に浸っていたい」

西日本新聞 社会面 稲田 二郎

笑顔で試合を見つめる西謙二さん=2日午後7時半、大分市の昭和電工ドーム大分 拡大

笑顔で試合を見つめる西謙二さん=2日午後7時半、大分市の昭和電工ドーム大分

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、大分県・別府商工会議所会頭の西謙二さん(70)は2日、大分市であったニュージーランド(NZ)代表の試合をNZの友人たちと観戦した。25年にわたり続けてきた草の根交流は、楕円(だえん)球のつながりに発展。W杯でのNZの別府キャンプ誘致として結実した。ラグビーを楽しむ多くの笑顔に囲まれ、感慨に浸った。

 試合はNZ代表がカナダ代表を圧倒。約3万4千人で埋まったスタジアムには大歓声がこだまし、ウエーブが起きた。西さんは「最高よ。目の前でオールブラックスがプレーしてみんなが喜んでる。夢みたいや」。旧知のスティーブ・ハンセンNZ代表監督からプレゼントされたニックネームは「スマイリー」。そのままの表情で目尻を下げた。

 NZとの出合いは1994年。同県別府市の姉妹都市・ロトルアで先住民マオリと英国系移民たちが穏やかに暮らす様子に魅了され、地元高校の修学旅行の斡旋(あっせん)や姉妹校締結などに取り組んだ。2000年には別府市内に交流拠点「NZハウス」を建設。オープン時にはNZ代表も駆け付けた。現在の日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチとは、このときからの付き合いだ。

 NZ訪問は36回に上る。W杯では、築いた人脈を駆使してNZの別府キャンプ誘致に尽力した。友愛の気持ちに動かされるとともに「子どもたちに思い出を残してあげたくて」。自身、9歳のときにプロ野球・日本シリーズでMVPを獲得した稲尾和久投手の凱旋(がいせん)パレードを別府駅前で見た記憶が鮮明に残る。同じような感動をさせてあげたいと思ってきた。

 献身、躍動、根性、創造性、そして感謝…。「ラグビーからは多くを学べる。それで人生が豊かになってくれたら」。言葉に力がこもったが、その後はちゃめっ気たっぷりに「もう少し、この時間に浸っていたいね」。目尻を下げて、また笑った。 (稲田二郎)

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