公募2期生の屋台 新風 大川組子の欄間で「和」 メニュー入れ替え次々

西日本新聞 ふくおか都市圏版 泉 修平

 福岡市の夜の名物といえば、屋台。その数は年々減少して100店余りとなる中、市が2016年に続き2度目の経営者公募を行い、選定された新屋台が8月から順次オープンしている。現在6店が営業を始め、10月中には全9店がそろう予定だ。屋台好きの記者が新店を“開拓”してきた。

 9月中旬、薄暗くなり始めた午後6時すぎ、普段より一足早く仕事を切り上げてまず向かったのは、中央区の天神橋口交差点の南西側にある「博多の銀太」。真新しい屋台に近づくと、「らっしゃい」と甲高い声で迎えられた。屋台では珍しい女性店主、篠田千夏さん(37)だ。

 のれんの奥には、幾何学模様が美しい大川組子の欄間。大川家具の職人製で「福岡の魅力をPRするために特注しました」と胸を張る。

 まずは、冷えた瓶ビールから。豚バラやとり皮をつまみに喉を潤す。お薦めの「辛旨スンドゥブチゲ」(650円)は、しっかりとした辛さの後に魚介の風味が口の中に広がった。アサリのエキスが隠し味だそうで、味へのこだわりを感じた。

 博多区出身の篠田さんにとって、屋台は「あって当たり前」の日常の風景。同区で飲食店を経営していたが、屋台公募を知って迷わず応募したという。「出店チャンスはそう多くない。ずっとやってみたかったんですよ」。そんな出店動機を聞きながら、トンペイ焼き、芋焼酎水割りを追加で注文し、小一時間過ごして会計は2650円。気付けば観光客らで満席になっていた。

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 続いて足を運んだのが博多区中洲の清流公園エリア。「たけちゃんfr司」の店主、中井武司さん(46)は、20年近く屋台で働いた経験があり、公募を機に独立した。

 店の売りは、1、2カ月ごとに入れ替える看板メニュー。現在は週末限定の「豚の角煮」(700円)で、口の中に入れると赤身と脂身のバランスが絶妙。甘く、おいしく、しっかりとした味付けで酒も進む。豚バラ肉は、納得のいくまで精肉店を回って仕入れるのだという。

 長い屋台での経験からか、思い描くのは「ほのぼのとした懐かしい雰囲気の屋台」。中井さんは「お客さんが楽しむ手助けに」と、来客に積極的に話しかけ、見知らぬ客同士に会話を仕向けることもあるという。中洲のネオンが反射する那珂川の夜景など情緒あふれた福岡を楽しめるのもこのエリアの魅力だ。ビール、日本酒に加え、シメに焼きラーメンを食べて合計2900円。少し食べ過ぎたかな、と思いながら帰路についた。

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 他にもコーヒーが楽しめる角打ち屋台や、ビーガン(菜食主義)料理を提供する屋台も登場予定だ。多彩な店が加わる夜の屋台街。自身のお気に入りを探しに訪ねてみてはいかが。
(泉修平)

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