「助けて」と言える社会へ 引きこもりや生活困窮孤立させない 自殺予防を考えるシンポ

西日本新聞 黒田 加那

 「子どもたちが『助けて』と言えず死んでいくのは、大人が助けてと言わないからだ」-。福岡県弁護士会は、引きこもりや生活困窮による自殺を予防しようとシンポジウム「だれも孤立させない社会をめざして」を開いた。ホームレスの自立支援などに取り組む北九州市のNPO法人「抱樸」(ほうぼく)の奥田知志理事長や、不登校経験者を多く受け入れる立花高(福岡市)の斎藤真人校長が対策を訴えた。

 奥田理事長は講演で二つの事件に触れた。今年5月に川崎市で児童ら20人が殺傷された事件と、その直後に発生した東京都で元農林水産事務次官が長男を刺殺した事件だ。

 前者では加害者、後者では被害者が引きこもり状態にあったとされる。川崎の事件を巡ってはテレビ番組でコメンテーターらが「1人で死ね」という趣旨の発言をし、インターネット上で賛否両論があふれたことでも話題になった。

 「自己責任や身内の責任が社会の道徳となり、『助けて』と言えない、言わせない社会になっている」

 奥田理事長はこう語り、「引きこもりは本人だけでなく家族も孤立している。『迷惑は悪だ』という考え方が彼らの孤立を助長している」と続けた。

 また、引きこもり当事者を家族が引き受け続ける一方、社会として担う仕組みがないと主張。居住支援などを通じて家族の負担を社会に分担することが必要と強調した。

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