九州の男性教員、低い育休取得率 「女性は100%、性別分業あらわ」

西日本新聞 一面 斉藤 幸奈

 少子化対策として国が男性の育児休業取得率アップに力を入れる中、教育現場では男性教員の取得率が低迷している。九州の平均は2・0%(2018年度)で、同じ地方公務員でも役所などに勤務する一般の男性職員の平均11・5%(九州の7県と政令市)との差が大きい。民間の全国平均6・16%と比べても低い。一方、女性教員はほぼ100%取得し、全国平均(82・2%)より約2割高かった。識者は「家事育児の性別役割分業を体現しているとも言え、子どもたちへの影響が心配だ」と指摘する。

 九州の7県と政令市の教育委員会によると、18年度に男性教員の取得率が最も低かったのは佐賀県の0・7%。対象者144人のうち取得したのは1人で、16、17年度もそれぞれ1人だった。北九州市も取得者は1人で、16年度は0人。

 佐賀県教委は「女性が取る制度で、男性は取らないのが習慣になっている」と話す。取得率が1・7%だった福岡市教委は「法律上必ず休まないといけない女性はその延長で育休を取りやすいが、男性は周囲に迷惑を掛けると考えて取りにくいのだろう」とする。

 育休推進に取り組む県教委もある。長崎県教委の取得率は4・1%で17年度から2・9ポイント増えた。校長が集まる会議で育休の推進を呼び掛けるなど、管理職の意識改革に努めてきた成果が徐々に出てきたとみる。

 子どもにとって教員は親の次に長時間接する大人。育休取得が性別で偏るとどんな影響が考えられるのか。ジェンダーと教育に詳しい関西大の多賀太教授(教育社会学)は「子どもたちのお手本として価値観に与える影響は大きい」と指摘。「男女共同参画を教えても、女性教員ばかりが育休を取っていると『育児の責任者は女性なんだ』といった意識が形成される恐れがある」と話す。

 日本の男性の育児休業制度について、国連児童基金(ユニセフ)は6月に発表した報告書で41カ国中1位と評価。ただ、「実際に取得する父親は非常に少ない」とした。

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【ワードBOX】自治体の教員の育児休業制度

 子どもの養育のために仕事を休む制度。「地方公務員の育児休業等に関する法律」で規定されており、子が3歳になるまで取得可能。法が1992年に施行される以前は、女性教員のみを対象にした法律(76年施行)があった。

(斉藤幸奈)

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