「身長九尺三寸」と三国志演義は記す…

西日本新聞 オピニオン面

 「身長九尺三寸」と三国志演義は記す。当時の単位で換算すると、身の丈2メートル10センチを超える巨漢である。三国志の英雄、関羽。九州国立博物館で開催中の「三国志」展で、ひときわ目を引く等身大の関羽像を見て、こんな話を思い出した

▼関羽を捕らえた宿敵の曹操は、命を助けた上、将軍に取り立て厚く遇した。だが、いずれ義兄弟の契りを結んだ劉備の元に帰ってしまわぬかと心配した曹操は、たくさんの贈り物をする。関羽は封印して手を付けず、敵将を討ち取って曹操への義理を果たした後、立ち去った

▼絶大な権勢を誇った曹操のこと。地位や金品で歓心を買うだけでなく、自分に従えと脅すこともあったろう。それでも義を貫く関羽の心は動かなかった

▼同じ「関」の下に「電」と続く組織のお偉方に、正しい義の心はあったか。原発が立地する町の有力者から、社長や会長ら20人が金品を受け取っていた。その額を「3億1845万円相当」と報告書は記す

▼関西電力から工事を受注した会社から有力者に渡った金が関電幹部に還流したように見える。そもそもは利用者が払った電気料金だ。脅されて仕方なく受け取ったという釈明を、利用者は納得できようか

▼福島原発事故で全国の原発が停止した頃から、金品授受は急増したという。再稼働を急ぐあまり、有力者とのよこしまな契りをさらに固めたのであれば、原発事業者たる資格はあるまい。

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