【ラガーマン記者が読み解くW杯】ゼロからラグビー(8)いざサモア戦 破壊力に塊で対抗

西日本新聞

アイルランド戦で突進するリーチ主将。サモア戦では先発出場し、チームを一つにまとめる 拡大

アイルランド戦で突進するリーチ主将。サモア戦では先発出場し、チームを一つにまとめる

 ラグビー日本代表(世界ランク8位)は5日、ワールドカップ日本大会1次リーグ第3戦でサモア(同15位)と戦う。圧倒的な体の強さを誇るサモアの選手が勢いに乗れば、ベスト8入りに向けて勝利が必須の日本を脅かしかねない。日本は、破壊力があるサモア選手に対して「塊」となって対抗する必要がある。

 力勝負の象徴であるスクラム。サモアと日本では組み方が異なる。

 サモアは身長約190センチ、体重約130キロの右プロップ(3番)アラアラトア選手が最前列の3選手の中で最も前に出て組む。その横のフッカー(2番)がやや下がり、最も後方に左プロップ(1番)が控える。3番を先頭に斜めになる形。1番が外から内に向かって組む傾向もあり、押す方向に統一感がみられない。

 これに対し、日本のスクラムは最前列の肩がほぼ横にそろう。2番の方向に、スクラムの中心線へ矢尻のように力を集め、8人で押す。アイルランド戦では3番の具智元選手が、下がりがちな相手1番と相手2番の間を押し込み、相手1番をスクラムから剥がして、反則を奪った。サモア戦も、この1番と2番、2番と3番の肩の段差に圧力を加えるような組み方になるのではないか。

 中盤のエリアで日本がボールを投入するスクラムがあれば徹底的に押し込みたい。サモア選手の心を折るだけでなく、スクラムを故意に崩す反則を誘うことができれば、日本はペナルティーキックで前進し、ラインアウトからモールで攻められる。

 サモアのモール防御は力任せの印象だ。本来であれば、互いに体を密着して攻撃側を包み込み、圧力が薄い左右にモールが逃げないようにする必要があるが、そうなってはいない。日本がモールを押し込むことができれば、規律が乱れるサモアが故意に崩す反則を犯すことも考えられる。


   ◆   ◆

 試合の序盤からサモアの選手の体力を奪うことも重要だ。パスやランで連続攻撃を仕掛け、相手を動かす。アイルランド戦と同様に、ボールを保持する戦いになるだろう。

 サモアの防御ラインが前に出るスピードは、そう早くない。ただ、単発的に飛び出し、重たいタックルを浴びせる。日本は、密集からパスを受けたフォワード(FW)がそのまま突っ込む真っ向勝負だけでなく、さらに隣のFWに短いパスでつないで突破を図ったり、スタンドオフ(10番)の田村優選手からほぼ横でパスを受けたFWが当たったりして前進を図るだろう。

 暑さの中での持久力の乏しさがうかがえるサモアの選手の足が止まれば、防御ラインの整備が遅れ、空くスペースが随所に出てくるので狙い目だ。

 相手にボールを渡し、反撃を許しかねないキックは抑え気味になるだろう。サモアには、ラン能力が高く、ボールを持てば一気に前進してトライまで奪えるような選手もいる。ウイング(11番)のフィドゥ選手やフルバック(15番)のナナイウィリアムズ選手は危険だ。

 ただ、ウイングとフルバックの連係が悪いのか、防御ラインの背後が空くことがある。このスペースに蹴り、タッチラインの外に転がして出して陣地を奪うという選択肢もある。

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