「誰もが過ごしやすい社会へ」 災害時のLGBT支援考える 福岡市で当事者ら登壇

西日本新聞

東日本大震災での支援経験を語る弘前大の山下梓助教 拡大

東日本大震災での支援経験を語る弘前大の山下梓助教

「どんな配慮が必要かという型を決めず、当事者に寄り添った支援を」と呼び掛ける熊本市の川口弘蔵さん LGBT当事者が災害時に困ることやその対応策についてまとめた「にじいろ防災ガイド」

 災害時に性的少数者(LGBT)が抱える困難について考えようと、福岡県弁護士会は「災害からの復興支援とLGBT」をテーマにした講演会を開いた。支援について詳しい弘前大の山下梓助教(36)と、LGBT当事者で熊本地震を経験した川口弘蔵さん(37)が登壇、配慮の必要性を訴えた。

 山下助教は2011年の東日本大震災の直後に、岩手県でLGBT支援者や当事者でつくる団体「岩手レインボー・ネットワーク」を立ち上げた。聞き取った相談の中には、戸籍と心の性が一致しない「トランスジェンダー」の当事者で男性と自認している人が、避難所でホルモン剤治療が中断されたために生理が再開し、生理用品をもらおうとした際に不審がられた例もあった。

 同団体は、災害時のLGBTの多様なニーズや対応策について理解を深めてもらおうと「にじいろ防災ガイド」を16年に発行。国際赤十字などがまとめた「人道憲章と人道対応に関する最低基準(スフィア基準)」を参考に制作、当事者や自治体などに向けて公開している。

 ガイドでは発生直後から復興期までの当事者の困り事と対応案が書かれている。例えば「男女別に設置されたトイレ、更衣室、入浴施設は使えない」という困り事については、「男女別のトイレだけでなく、誰もが使えるユニバーサルトイレも設置する」「更衣室や入浴施設は1人ずつ使える時間も設ける」などと解決策を提示している。

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