チョークを絵筆に替え 元教育長の薙野さん、久留米で水彩画展

西日本新聞 筑後版 大矢 和世

新緑の秋月(右、朝倉市)などを描いた薙野敏光さん 拡大

新緑の秋月(右、朝倉市)などを描いた薙野敏光さん

 長年小学校の教壇に立ち、旧北野町教育長も務めた薙野敏光さん(82)=久留米市北野町=が6日まで、同市東町の市一番街多目的ギャラリーで水彩画展を開いている。退職後、チョークを絵筆に持ち替えて歩む絵の道は、年々鮮やかさを増している。

 筑後川や耳納連山といった郷土の風景、奈良の国宝阿修羅(あしゅら)像、京都の紅葉など、薙野さんが目にした光景を描いた約30点を展示。濁りのない彩色で、粒子を敷き詰めたように細やかな写実画だ。「身近な自然の美しさに目を向けてほしくて。光を描きたいという思いが強くある」

 薙野さんは大刀洗町出身。福岡学芸大(現福岡教育大)卒業後、小学校教諭、校長などを経て北野町教育長を務めた。幼少期から絵が好きだったが、多忙な教職生活で封印していた。72歳で退職すると、陶芸家河井寛次郎の「有名は無名に勝てない」という言葉が脳裏を離れなくなった。「無名の素人でも、絵を描いていいのかもしれない」。旅先や日常で構図を練り、1カ月ほどで絵を仕上げる日々が始まった。

 昨年5月に初個展を開催。好評だったことから2度目の個展を企画した。公募展への出品を勧める声もあるが、独学を貫くという。「ずっと、教え、教わる仕事をしてきた。今はただ自由に、思いきり描きたいのです」。筆の赴くまま突き進む。 (大矢和世)

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