米国などでは、罪を犯した人が刑罰の代わりに一定期間の社会奉仕を命じられることが珍しくない…

西日本新聞 オピニオン面

 米国などでは、罪を犯した人が刑罰の代わりに一定期間の社会奉仕を命じられることが珍しくない。人と犬の絆を描いた公開中の米映画「僕のワンダフル・ジャーニー」で、補導された少女が命じられたのは、ある施設で犬の世話などをする奉仕活動だった

▼そこでは犬たちが、人の100万~1億倍とされる嗅覚を生かし、患者のにおいからがんの有無を嗅ぎ分ける訓練をしていた。ふとしたことから少女の愛犬にもがん探知犬の才能があることが分かり、その特殊能力が後に少女と犬の運命を大きく変えていく-

▼においでがんを探知する能力は、犬に負けないとか。地中にいる体長約1ミリの微小生物、線虫である。小欄で以前、九州大の研究チームなどが線虫によるがんの検査法を開発した、と紹介したが、いよいよ実用化の運びになった

▼健康な人の尿からは逃げ、がん患者の尿には近づくという線虫の性質を利用した。尿1滴あれば、8割以上の確率でがんを判別できるとか。一般的ながん検査「腫瘍マーカー」より判定の確率が高い上、検査費用が1回9800円と安いのも魅力だ

▼九州大発のベンチャー企業が、福岡県久留米市と小郡市の職員からボランティアを募り、実証実験に入る。来年1月から企業や自治体の健康診断などを対象に事業を始める予定だ

▼がんは日本人の死因の第1位。小さな虫の特殊能力が多くの人の運命を変えてくれれば。

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