サモア生まれの日本代表ラファエレ、恩返しの初トライ ノート裏に書いた誓いの言葉

西日本スポーツ 大窪 正一

前半、トライを決めるラファエレ 拡大

前半、トライを決めるラファエレ

後半、相手の突進を阻む中村(左)とラファエレ(撮影・中村太一) 後半終了間際、松島のトライに喜びを爆発させるファン=5日午後8時半ごろ、福岡市博多区のJR博多駅前広場(撮影・佐藤雄太朗) 前半、追加点に盛り上がるファン=5日午後8時すぎ、福岡市博多区のJR博多駅前広場(撮影・佐藤雄太朗)

 ◆ラグビーワールドカップ(W杯)1次リーグA組 日本38-19サモア(5日・豊田スタジアム)

 3試合連続で先発出場したCTBラファエレ・ティモシー(28)が自身今大会初トライを奪った。9-6で迎えた前半27分、リーチ主将のターンオーバーから始まった連続攻撃。最後は左に展開してラファエレがタックルを受けながら、左隅に押さえた。田村のコンバージョンも決まって16-6。後半も攻守で存在感を発揮して3連勝を支えた。

 ラファエレは対戦相手のサモア生まれ。4歳でニュージーランド(NZ)に移り、6歳からラグビーを始めた。高校3年時に福岡県宗像市であった国内外の高校生の強豪が争うサニックスワールドユース交流大会に出場するため初来日。山梨学院大の関係者に誘われる契機になった。

 当時は関東大学リーグ2部ながら、4年時には当時トップリーグ(TL)のコカ・コーラ(福岡市)のゼネラルマネジャー兼総監督だった向井昭吾現監督(58)に勧誘された。「『うちに来たら日本代表になれる』と誘われ、うれしかった」。2014年からプレー。ただ、2年目までチームの主力にもなれなかった。

 転機は15年のW杯で日本が南アフリカを破った歴史的1勝だ。「小さいころはサモア代表が夢だったが、日本で過ごすうちに日本代表に引かれた」。迎えた16年、新年にノートの裏表紙に「日本代表になる」と誓いを書き込んだ。当時チームと契約していたNZ代表のコーチの下で体づくりからやり直し、心身共に進化を遂げた。

 16年11月のアルゼンチン戦で念願の日本代表デビュー。17年には日本国籍を取得し、代表の主力にも定着した。昨季はTL復帰を目指しているコカ・コーラの主将を務めたが、より高いレベルでのプレーを望んで神戸製鋼に移籍。それでも「福岡で暮らせたのは運命だった」と力を込める。

 自身初のW杯では、格上撃破で世界を驚かせたアイルランド戦でWTB福岡へのラストパスで日本唯一のトライを演出。高い戦術眼とパス技術、激しいタックルはチームに欠かせない。「福岡のファンのためにも勝つ。昨年6月にサモアに帰ると、生まれた村の人は日本を応援すると言ってくれた」。感謝を胸に全力を尽くす。(大窪正一)

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ