大村の新たなシンボルに 図書館ミライon開館 にぎわい創出へ期待

西日本新聞 長崎・佐世保版 山本 敦文

3階の開架スペース。天井や本棚には県産木材が使われている 拡大

3階の開架スペース。天井や本棚には県産木材が使われている

緩やかなカーブを描く外観。大村湾をイメージした 児童書や絵本などが並ぶ1階の「こどもしつ」 1階には大村市歴史資料館も併設されている

 県立、大村市立一体型図書館「ミライon」が5日、同市東本町にオープンした。収蔵能力は202万冊で九州最大規模。年間の利用者数はサッカーJリーグ、V・ファーレン長崎のホームゲーム入場者数の3倍以上に相当する60万人を見込む。全国でも珍しい県と地元自治体が共同運営する図書館は「知の拠点」だけでなく、地域の活性化や情報発信、資料の保管などさまざまな役割を期待されている。

 開館前には館内で記念式典があり、中村法道知事は「県と市がそれぞれのノウハウを生かし、県全体の教育文化の発展に役立てたい」とあいさつした。

 市民の関心は高く、正午の開館前に3千人以上が並び、列は敷地内を幾重にも折り返して歩道へと続いた。先頭は午前6時に並んだという近くの玖島中3年、荒木透也さん(15)と森颯翔さん(15)で「好きな本を借りるだけでなく受験勉強にも利用したいです」。入り口では園田裕史市長らが来場者を出迎え、記念品のトートバッグを手渡した。

 老朽化した旧県立図書館(長崎市)と大村市立図書館を一体型で整備する方針は2013年に打ち出され、17年4月に着工。76億円の工費は県と市が負担した。当初は今年3月を予定した開館は蔵書移転の遅れで7カ月ずれこんだ。

 市は「ミライon」をJR大村駅を含む市中心部のランドマークと位置付け、にぎわい創出にもつなげたい考えだ。市の肝いりで12年以降に中心部で相次ぎオープンした商業施設や交流施設などと結び、商店街との回遊性を高める都市計画を描く。講演会やワークショップなどの会場としても積極的に活用し「情報発信や生涯学習にも役立てたい」(園田市長)。

 一方、この日は無料駐車場(205台分)が入庫開始直後に満杯に。近くの小学校に臨時駐車場が設けられたが、市民からは「駐車場を有料にして利用を制限してはどうか」(72歳女性)など、周辺の交通渋滞を懸念する声も上がった。

 「ミライon」は県立図書館として、離島などの図書館に本を貸し出すとともに、施設の老朽化や収蔵庫の狭さなどで市町では保管できなくなった資料を引き取る役割も担う。旧県立、大村市立図書館から引き継いだ蔵書は125万冊で、収蔵能力にはまだ77万冊分の余裕がある。渡辺斉志館長は「ミライonに対する県民の期待は大きい。今後も職員の能力を高め、サービスの向上につなげたい」と話した。(山本敦文)

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