「カホアルペ」開業1年遅れ 嘉麻市が整備中の観光農泊施設 住民「本当に完成するのか」

西日本新聞 筑豊版 丸田 みずほ

嘉麻市が旧足白小を活用して準備を進めている「カホアルペ」 拡大

嘉麻市が旧足白小を活用して準備を進めている「カホアルペ」

 嘉麻市が旧足白小を活用して準備を進めている足白農泊施設「カホアルペ」の開業が遅れている。市は、一帯を観光拠点施設として整備しようとしているが、オープンは当初の予定から約1年後の来年3月になるという。住民からは「地域活性化につながるが、本当に完成するのか」との声も上がる。施設の現状を探った。

 「最低2年は市が直営し、その後、(市が100%出資するまちづくり会社)嘉麻スタイルに運営を任せたいと考えている」

 市議会9月定例会の一般質問。進捗(しんちょく)状況を尋ねた畠中博文議員に、産業振興課の担当者がこう答弁した。「この方法(直営)に決める中で、維持管理経費や収支の関係から、サービス水準についても再検証が必要と判断した」とも述べ、12月定例会に関連予算を計上し、あらためて開業スケジュールを提示する方針を示した。

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 旧足白小は、小学校の再編に伴い2014年3月に閉校した。市が観光拠点施設の整備方針を明らかにしたのは16年6月。周辺には観光農園「九州りんご村」や酒蔵など、市の観光資源が集まっているが、市内には宿泊施設が少なく、滞在型観光の受け皿が整っていない。

 施設を整備し、観光客を呼び込もうと、市は19年3月の開業を目指して総事業費約4億6千万円をかけて同小を改修。半額は農山漁村振興交付金を活用し、残りは市が負担した。鉄筋コンクリート2階建てで、延べ床面積は約1900平方メートル、敷地面積は約6800平方メートル。1階にレストランや農業体験施設、2階に宿泊施設を設けた。

 ところが、全ての工事を終えたのは今年6月。市によると、工事車両が通行できる道が一つしかなく、改修工事を優先させたため、外構工事の工期がずれ込んだ。

 運営に関しても、市は当初、カホアルペと隣接しているボルダリング施設「K-WALL」との一体的な管理が望ましいとして、同施設を運営している嘉麻スタイルを指定管理者とする方針だったが、稼働率の算定により赤字になる可能性が出てきたため、嘉麻スタイルの経営の圧迫につながりかねないとして、直営に変更。ホテル業界の人材不足により人員確保が見込めないことも開業が遅れている原因という。

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 「わたしたちは待つしかない」

 地元住民でつくる「足白地区農泊推進協議会」の男性はこう口にする。同協議会はこれまで、嘉麻スタイルと協力し、観光農園「K-FARM」での収穫体験や、足白地区を散策して自然や町並みを楽しむ「フットパス」を開催してきた。

 「施設ができればにぎわいも生まれる。地域をもり立てるため、できる限り協力していきたいと思っている」

 市議会9月定例会の一般質問で赤間幸弘市長は「一日も早いオープンを目指して進行中で、20年3月の開業を目指している」と述べた。

 地方創生の拠点となる施設だけに、今後の市の取り組みが注目される。(丸田みずほ)

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