「ノーサイド」絵筆にのせ 福岡の岡部さん、横浜で個展 練習中けが、手足まひ

西日本新聞 社会面 末継 智章

新作3点などの作品展を開いている元ラガーマンの岡部さん 拡大

新作3点などの作品展を開いている元ラガーマンの岡部さん

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会を盛り上げようと、福岡工高時代のラグビーによる事故で手足が不自由になりながら「ピエロの画家」として活躍する岡部文明さん(70)=福岡市=が、横浜市の横浜赤レンガ倉庫で作品展「岡部文明2019展」を開いている。日本ラグビー協会関係者から打診を受けて快諾した。ラグビーボールを持つピエロを描いた新作3点など約110点を展示。愛と平和の大切さを呼び掛けている。入場無料。W杯決勝翌日の11月3日まで。

 岡部さんは福岡工高2年時に出場した1965年の岐阜国体で練習中に頸椎(けいつい)を損傷し、両手両足の自由を失う重度のまひに陥った。2年3カ月に及ぶ入院生活中、来日したラグビーのニュージーランド(NZ)学生代表の見舞いを受けて奮起。かねて興味があった画家を志し、73年から車いすに座ったまま絵筆を輪ゴムで手に縛るなどして絵を描いてきた。

 ピエロをモチーフにし続けるのは、幼少期からサーカスを見て表情や人間性に引かれたためという。ラグビーの人種の壁を越えたチームで戦う点や、試合後に敵味方の区別なく健闘をたたえ合うノーサイドの精神に「ピエロと同じ多様性と人類愛がある」と感じている。

 2011年にW杯NZ大会の期間中に同国で個展を開催し、12年には事故に遭った岐阜でも開いて反響を呼んだ。「倒れても立ち上がるのがラグビー精神。絵画の世界に飛び込み、多くの人々に支えられたのはラグビーのおかげ」と感謝する岡部さん。「力を出し合って一つの球を追い掛ける人類愛が競技の魅力。W杯を通じて多くの人に知ってほしい」と願っている。 (末継智章)

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