龍が舞い 船が回る 5踊町 伝統の演し物を披露 長崎くんち開幕

西日本新聞 長崎・佐世保版

「川船」を豪快に回す魚の町の根曳きたち 拡大

「川船」を豪快に回す魚の町の根曳きたち

鶴を模した衣装で踊る今博多町の本踊 最終盤に9頭が登場した玉園町の獅子踊 籠町の龍衆は諏訪神社の階段を上った 力強く阿蘭陀船を運ぶ江戸町の男衆たち 「令和」の文字が書かれた今博多町の扇子 「モッテコーイ」を連呼するペーター・ファン・デル・フリート駐日オランダ大使(右から2人目)

 龍が秋空に舞い、船は高速で旋回する-。令和初となった秋の大祭「長崎くんち」が7日、長崎市上西山町の諏訪神社で幕を開けた。7年に1度の大役が回ってきた踊(おどり)町5カ町は神社でそれぞれの演(だ)し物を披露。長坂と桟敷席を埋めた観客たちを魅了した。

 6月の「小屋入り」からこの日に向けて、稽古で汗を流してきた各踊町。堂々と踊場に入場し、籠町は江戸時代から伝わる龍(じゃ)踊を、魚の町の「川船」は2回転半の右回りなど、伝統ある演し物を次々と見せた。観客たちはアンコールを意味する「モッテコーイ」「ショモーヤーレ」を連呼。神社内は熱気に包まれた。

 9日までの祭り期間中、各踊町は市内4カ所に設置された踊場のほか、「庭先回り」として市中心部を回り、民家や店舗の前で演し物を披露し、大勢の見物客で活気づく。

魚の町

 魚の町の「川船」は、船頭が網を打ち、魚を取るところから始まる。メインの船回しは、昔ながらの右2回転半。この日も豪快に回し、止めるのは全員でタイミングを合わせる完成度の高さを披露。りりしい表情で奉納する男衆に「モッテコーイ」の歓声が飛んだ。

今博多町

 本踊で6羽の鶴を表現した今博多町。白い衣装を身にまとった6人の女性が、1列に並んで膝を付き、背中を反らして一斉に羽ばたく場面では拍手が送られた。「長崎ぶらぶら節」に合わせた踊りや、あどけない子どもの踊りもあり、会場に笑顔が広がった。

江戸町

 前座の阿蘭陀(おらんだ)小船が1回転半の船回しを成功させ、いよいよ親船が入場。嵐と凪(なぎ)の海を航海し、長崎を目指す船の様子を船回しの強弱と囃子(はやし)で表現。今回初めて凪の演出を、新元号にちなみ「令和(れいなるなぎ)」と名付け、名の通り根曳(び)きたちは華麗に回した。

玉園町

 色鮮やかな獅子たちが笛や太鼓の音に合わせ、力強く舞った玉園町の獅子踊(ししおどり)。中国風の衣装を身に着け、獅子を導く玉使いの子どもが倒立や肩車を見せると、会場から「おお」と声が漏れる。見せ場の9頭の獅子が一斉に足を上げて回転する場面では歓声が上がった。

籠町

 籠町が奉納する龍踊(じゃおどり)は、他の町と比べて、江戸時代に中国人から伝えられた当時のものに最も近いとされる。龍がとぐろを巻く「ずぐら」や自身の胴体下を頭と尻尾が通り抜ける「胴抜き」が見せ場。爆竹音が踊場に響く中、龍は体をくねらせながら空高く舞った。

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新時代、扇子に令和 オランダ大使も興奮

 今博多町の踊り子がアンコールである「所望踊り」で手にして見せたのは「令和」と書かれた扇子。指導をした日本舞踊の花柳寿々初師匠が「改元後、初のくんちの1番町として令和を強調したい」と思いを込めた。観客の1人、粟戸万希さん(27)=長崎市本原町=は「新しい時代の幕が開けたことを改めて感じた」。

 江戸町の阿蘭陀船を一目見ようと、9月に就任したばかりのペーター・ファン・デル・フリート駐日オランダ大使が7日、長崎市の中央公園の踊場を訪れた。オランダ大使のくんち観覧は7年ぶりで、観客と一緒に「モッテコーイ」を連呼。取材に「演し物を見て、長崎とオランダの歴史的なつながりを実感した」と興奮気味に語った。

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