海藻の乳酸菌発酵に新手法 美容製品や健康食品に活用へ 久留米のバイオベンチャー、SWF社が開発

西日本新聞 筑後版 片岡 寛

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発酵させた海藻のエキス。ミネラル分が豊富に含まれる

千葉県銚子市の研究施設にある発酵釜。この中で乳酸菌を使って海藻を発酵させる(SWF社提供)

 久留米市のバイオベンチャー企業「SWF株式会社」が、乳酸菌を使って海藻を発酵させる独自の方法を開発した。発酵で吸収されやすくなった、ミネラル分を豊富に含むエキスを原料に、美容品や機能性表示食品などを開発する準備を進めている。九州産の海藻を活用するほか、色落ちした養殖ノリの利用も視野に入れており、地域活性化の面でも期待される。

 海藻は豊富なミネラル分やタンパク質を含む健康食材として知られるが、そのまま食べても消化や吸収性に課題があった。発酵させれば海藻成分が吸収しやすい大きさまで分解されるため、美容品や食品のほか、医薬品やサプリメント、飼料など、幅広い分野への活用が期待されている。

 SWF社は、前身の研究所時代から、海洋由来の乳酸菌を使った独自の「海藻乳酸菌発酵SWプロセス」を開発してきた。ただ、海藻は頑丈な細胞壁で守られており、これまでの一般的な発酵法では、酵素などを使って細胞壁を分解したり、糖を加えたりする工程が必要だった。同社は、海藻の種類に応じて相性の良い乳酸菌を用いることで、水と乳酸菌だけで発酵させることに成功。10日前後かかる工程を約半分に短縮でき、大きなコスト減につながったという。

 同社によると、成功した海藻はツノマタ、アラメ、マツモ、コンブ、アカモク、ワカメなど。富塚信司社長は「食資源としての海藻の有効性や意義を世界に発信したい。九州に第一号の工場を造りたい」と話す。同社は2014年に千葉県銚子市に研究所を設立。今年2月、県がバイオ関連産業の集積拠点に位置付ける「福岡バイオインキュベーションセンター」(久留米市百年公園)に本社を移した。

 日本政策金融公庫久留米支店は9月、創業間もない企業などを対象に無担保・無保証人で事業資金を供給する「新創業融資制度」を適用して、同社に1千万円を融資した。 (片岡寛)

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