卵のことが知りたければ、この1冊でOK!全日本人必読の「タマゴ事典」

西日本新聞

『まるごとわかるタマゴ読本』 渡邊乾二 著 拡大

『まるごとわかるタマゴ読本』 渡邊乾二 著

 卵が完全栄養食だというのはなんとなく知っていたが、正直ここまで素晴らしい食材だとは思っていなかった。とにかく著者の卵に関する見識とタマゴ愛の深さに圧倒される。

 冒頭は卵かけごはんにまつわるアレコレ。卵の生食文化の歴史から、おいしい卵かけごはんの作り方まで、このテーマだけでも驚くほどの量の情報が詰まっている。しかも学術的文献だけでなく文学作品も次々と登場するから興味深い。池波正太郎や三島由紀夫からはらぺこグリズリーまで。鍋島藩から上沼恵美子のおしゃべりクッキングまで。読み応え十分だ。

 そして卵を語るうえで欠かせない鶏の歴史から始まり、世界や日本における卵の伝搬についての詳細へ。さらに卵の驚きの栄養や健康機能の解説、その変化に富む素材性と加工方法の紹介へと続く。そして最後は卵の将来についてまで、あらゆる膨大な資料を基に、実に幅広い内容で読者の卵知識を広げてくれる。

 しっかりとした知見を基に書かれた解説文のみならず、図やグラフを駆使し、ワンポイントレクチャーやコラムを挟み、全国の面白い食べ方や有名店まで網羅。見事にさまざまなアプローチから、縦横無尽にしかもわかりやすく知的好奇心を満たしてくれるのだ。それはまるで卵の立身出世物語を読んでいるような感覚で、読了後はきっと卵ファンになってしまうだろう。

 これまで卵について抱いていた疑問、例えば色の違いで味や栄養が変わるのか?や、1日に何個まで食べていいのか?といったことが、全部スッキリと解消される。日本ほど卵に対して安心できる国はないと知ることもできる。だからこそ、卵の恩恵を存分に受け、これほど卵と深く付き合っている国はないということもわかるのだ。今まで何気なく食べていた目玉焼きや卵焼きの見方が変わるに違いない。

 食に関わる人はもちろん、養鶏関係者、プロの料理人、動物に関わる人・・・とにかくありとあらゆる人にぜひ読んでほしいと願う、卵の全てが詰まった、卵ワールドの集大成と言えるような一冊だ。

 

出版社:農文協
書名:まるごとわかるタマゴ読本
著者名:渡邊乾二
定価(税込):1,980円
税別価格:1,800円
リンク先:http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54018158/

西日本新聞 読書案内編集部

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