豊築唯一の弁護士定住 「公設」初代所長・西村さん 個人事務所を開設

西日本新聞 北九州版 浜口 妙華

豊前総合法律事務所を開設した西村弁護士 拡大

豊前総合法律事務所を開設した西村弁護士

 弁護士過疎地の解消を目指して日本弁護士連合会などが支援して開設した公設の「豊前ひまわり基金法律事務所」(豊前市青豊)の初代所長を務めた西村幸太郎弁護士(33)が3年間の任期を終え、10月、同じ場所に個人事務所「豊前総合法律事務所」を開設した。大学時代から弁護士偏在の問題に興味があり、実際に赴任してみて弊害を痛感し、「豊前に骨をうずめる覚悟」を決めた。「これからも地域に根ざし、一つ一つの事案に誠実に取り組む」と決意を語った。

 西村弁護士は長崎市出身。熊本大法学部、広島大法科大学院をへて2012年に司法試験に合格。過疎地に赴任する人材を育成する「あさかぜ基金法律事務所」(福岡市)で実務を経験し、16年に豊前ひまわり基金法律事務所の初代所長になった。

 県弁護士会などによると、豊前市と築上郡3町は16年まで40年近く常設の法律事務所がなかった。当初はヤミ金融などの相談で、こうした問題が放置されていたことを実感。ある案件で知り合った高齢者に手紙を送ると「怖くて封筒を開けられなかった」と電話があり、「弁護士はそんなにも敷居が高いのかと感じた」という。

 だからこそ、地域であいさつ回りをしながら顔を覚えてもらい、親しみやすい存在になることを目指している。

 1年目の相談は218件、代理人を受任した案件が53件。2年目は相談159件、受任93件。3年目は192件、受任133件と受任案件が増えてきた。最近では地元企業などからの講演や研修依頼も増えた。

 8日には弁護士の定着を祝う式典がホテル築上館(豊前市八屋)であり、自治体関係者ら約40人が出席した。西村弁護士は3年間で569件の相談件数があったことに触れ、「それだけ多くの案件が放置されてきたということではないか。ますます頑張っていきたい」と力強く語った。 (浜口妙華)

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