台湾を歩く こども特派員ルポ<上>日本と深いつながり 教育用新聞を発行 「国語日報社」訪問 「小記者」たちと交流

西日本新聞 こども面

自分たちが書いた記事を手にする国語日報の小記者と西日本新聞のこども特派員たち。壁には新聞制作の流れがイラストで紹介されていた 拡大

自分たちが書いた記事を手にする国語日報の小記者と西日本新聞のこども特派員たち。壁には新聞制作の流れがイラストで紹介されていた

李沛軒さん 戴欐懿さん 国語日報社のビル。卓球や音楽、囲碁などの教室、新聞の編集部、書店などが入っている   小学校低学年向けの音楽教室。こども特派員の4人も一緒に太鼓をたたいてみた こども特派員たちは国語日報の紙面で「日本小記者」として記事(中央)で紹介してもらった。全ての漢字の横にふりがなのような注音符号が付いている   朝ご飯専門店のカウンターにはパンや卵料理などが並んでいて自由に選べる 士林夜市の地下には90店以上の店が並んでいた 台湾地図

 台湾と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか? タピオカドリンクや夜市の屋台? 地図を見ると九州のご近所だとわかります。こども特派員(第9期こども記者)4人が8月に台湾をたずね、現地の子どもたちと交流し、多彩な民族文化や日本との歴史的つながりを取材しました。3回にわけて紹介します。(見出しのルポは、現地からの報告を意味する「ルポルタージュ」の略です)

【紙面PDF】台湾を歩く こども特派員ルポ<上>

 台湾で教育用の本の出版や新聞の発行をしている国語日報社(台北(タイペイ)市)をたずねた。日本語も話す編集長の鄭淑華(チェンシューファ)さんや記者たちが笑顔で迎えてくれた。

 国語日報社では、私たちのように小中学生の「小記者」が取材をして書いた記事も新聞に掲載している。鄭さんが「小記者の制度は昨年夏から始まり、夏休み中に約100人が活動している」と説明した。私たちは小記者の李沛軒(リペイシュエン)さん=中学1年=と戴〓(〓は「木へん」に「麗」)懿(ダイリイ)さん=小学6年=に学校や将来の夢について聞いた。

 義務教育は小学校6年間と中学校3年間。学校の時間は午前8時~午後4時ごろで日本と同じだった。李さんの好きな科目はスポーツや情報系、戴さんは英語が得意だという。戴さんは塾やピアノなどの他、フェンシングも習っていると聞き珍しいと思った。

 私たちは4人とも医師や料理人など将来なりたい職業を紹介した。一方、小記者の2人は「いろいろなことに興味があるので、これから視野を広げていきたい」と言っていた。

 驚いたことに、小記者たちは全然緊張している様子がなかった。こちらが質問したことにも素早く、それも大きな声ではきはきと答えた。私たちが話す間も笑顔で相づちを打ってくれて、とても年上に感じた。見習いたいと思った。

 最後に2人に「シェシェ(ありがとう)」とお礼を言うと、日本語で「ありがとう」と答えてくれた。友達になれたようでうれしかった。英語をはじめとするいろいろな言葉を勉強して、もっと世界の人たちと話してみたいと思った。

 ■卓球や音楽教室を見学

 国語日報社では子ども向けのさまざまな教室を開講している。7月から8月末まである約2カ月の小中学校の夏休み期間中は特に受講生が多い。親の仕事で海外に住んでいる台湾の子どもも多く、夏休みに帰国して通っているそうだ。

 6階は芸術、7階は囲碁などと分かれていて、あちこちから元気な声が聞こえた。私たちはまず、小学校低学年の音楽教室を見学した。「シャオシャオタタタ」と太鼓をたたくリズムの練習中、先生が毎回ほめていて良い教え方だと思った。受講生の女の子に好きな遊びを聞くと、「おままごと」と答えた。国や言葉がちがっても、子どもの好きな遊びは同じだと思った。

 台湾でも大人気のスポーツ、卓球を学ぶ教室をのぞくと、子どもたちが練習に汗を流していた。先生の一人が「リオ五輪台湾代表の江宏傑(ジャンホンジェ)さんも子どものころこの教室に通って練習していたよ」と言った。江さんは日本の五輪メダリストの元卓球選手、福原愛さんの夫だ。教室では先生が生徒と対戦しながらアドバイスをしていて、これなら強くなれるはずだと思った。

 ■私たちの訪問、記事に

 国語日報社では創刊71年の教育新聞「国語日報」を毎日11万部発行している。全16ページでイラストや写真を多く使い、子どもにも読みやすい。大人の関心が高い教育関係の記事なども載っている。

 全ての漢字に発音を表す記号「注音符号」を付けているのも特徴だ。台湾で「国語」と呼ばれる中国語の文字は全て漢字。日本語のふりがなのような注音符号は、子どもや中国語を勉強中の外国人に役立つ。

 私たちの訪問は国語日報の大人記者が取材してくれて、次の日の新聞に記事が掲載された。新聞の形は長方形の日本の新聞とちがい、正方形に近かった。全文は理解できなかったけれど、知っている漢字を見ていると私たちを歓迎してくれたのだと思った。ガイドさんに記事を読んでもらうと「日本のこども記者はとても礼儀正しい」とほめてくれていた。一人一人の名前や写真も掲載され、一生の記念になった。

 同社は、他に子ども向けに「国語日報週刊」(5~8歳が対象)と「中学生報」(中学生が対象)を週1回発行している。部数は2万部。注音符号は国語日報週刊には付いていたが、中学生報にはなかった。

●夜市やタピオカ 食文化も堪能

 台湾では朝から外食する人が多いという。午前8時すぎ、朝ご飯専門店に行った。仕事に行く前の大人や家族連れが出入りしていた。カウンターには蒸しパンや卵料理などが並んでいて、好きな物が選べる。私たちは朝は必ず家でご飯を食べるので、台湾の人は朝からおしゃれだなと思った。

 一番おいしかったのは、もちもちした大根もち。冷たい豆乳も飲んだ。無糖、加糖、微糖がありコーヒーみたいだと思った。お豆腐の味がして、日本の豆乳よりもとろっとしていた。

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 観光名所の士林夜市に行った。地上だけでなく、地下にもご飯を食べられる店がある。地下に続く階段を下りるとすぐに鼻をつくような強いにおいがした。ガイドさんが「臭豆腐という豆腐だよ。好き嫌いが分かれるね」と教えてくれた。歩いていると店の人たちが「おいしいよ」「安いよ」と日本語で話しかけてきた。人がいっぱいでがやがやしていて、みんな楽しそうに食事をしていた。

 特に気に入った料理は乾麺。汁の少ないラーメンのようなものだ。もちもちの麺に甘辛いタレをかけて食べると汗が出てきた。しゃきしゃきした野菜が麺と良く合い、毎日でも食べたい。大盛りご飯に細切れの豚肉が乗ったどんぶりと2品を食べて日本円で300円弱。安さにびっくりした。
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 国語日報社では、取材の合間に日本でもはやっているタピオカミルクティーをいただいた。大粒のタピオカは甘くてぷるぷる。日本で飲んだことがあったが本場はやはりおいしい。

 観光客の「お土産ランキング1位」のパイナップルケーキは出発前から楽しみにしていた。外はさくっとしたバターケーキで、中はとろっとしたパイナップルのあん。甘味と酸味のバランスがちょうどよかった。

 ◆どこにある? 台湾は沖縄県の南西に位置し、面積は九州より小さい約3万6000平方キロ㍍。人口は九州7県(1301万人)の倍近い2369万人。福岡空港から主要都市の台北に近い国際空港までは飛行機で約2時間半と近く、観光先としても人気だ。今年8月に台湾から日本をおとずれた人は中国の次に多く、42万300人だった。

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