この人のひらめきと不屈の努力がなかったら、私たちが享受している便利で快適な暮らしは、別の姿になっていたかもしれない…

西日本新聞 オピニオン面

 この人のひらめきと不屈の努力がなかったら、私たちが享受している便利で快適な暮らしは、別の姿になっていたかもしれない。旭化成名誉フェローの吉野彰さん。ノーベル化学賞に決まった

▼筆者の机の周りを見回すと、スマートフォンにデジタルカメラ、この原稿を書いているノートパソコン。外に出れば、ハイブリッド車や電気自動車、太陽光や風力による発電設備。見上げた秋空に航空機、はるかな天空には宇宙ステーションや小惑星探査機…

▼こうした機器に欠かせないのがリチウムイオン電池。軽量かつ高出力で何度でも充電して使える画期的な技術を開発した一人が吉野さんだ

▼リチウムは金属状態のままだと発火する恐れがあった。吉野さんはイオン化したリチウムを充電式電池に利用するための電極を考案。それにより実用化の道が開けた

▼化石燃料を使わずに車を走らせ、太陽光や風力でつくった電気を蓄えられるリチウムイオン電池は、二酸化炭素(CO2)排出削減の“切り札”としても評価されている。暮らしを変えただけでなく、地球温暖化対策への貢献も受賞の大きな理由だ

▼どうすれば世の役に立つ発明ができるのか。吉野さんは「魚のいる場所に釣り糸を垂らせ」と。将来、何が必要となるのかを見定め、後はゴールに向かって努力あるのみ-。言うはやすし…と凡夫はうなるしかないが、若い皆さんはぜひお手本にしてほしい。

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