石綿訴訟 国が上告断念 遅延損害金「診断日から」

西日本新聞

福岡高裁が入る合同庁舎=福岡市中央区 拡大

福岡高裁が入る合同庁舎=福岡市中央区

 アスベスト(石綿)が原因の肺がんを発症した北九州市の70代男性が国に損害賠償を求めた訴訟で、賠償金の利息に当たる遅延損害金の起算日を「(医師による)肺がんの確定診断を受けた日」と判断し国の主張を退けた9月の福岡高裁判決について、加藤勝信厚生労働相は11日、「判決内容を重く受け止める」として上告しないことを明らかにした。

 石綿訴訟を巡っては、国の責任を認めた2014年の「泉南アスベスト訴訟」の最高裁判決に基づき、国は元労働者や遺族との和解に応じているが、遅延損害金は労災認定時から生じるとしていた。

 原告の男性は同市門司区にあった石綿製品の製造工場に勤務。08年9月に肺がんの疑いを診断され、同年11月に診断が確定。10年2月に労災認定された。国側は「労災認定時が遅延損害金の起算日」と主張したが、高裁判決は「肺がんの診断が確定した日から起算するのが相当」と判断。その上で、国に1265万円の損害賠償と遅延損害金の支払いを命じた。(鶴善行、一瀬圭司)
 

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