医師への道 恩師も支え 13日初先発福岡選手 塾元担任 向学心に驚き

西日本新聞 社会面 大窪 正一

福岡選手の思い出を語る英進館の神田課長 拡大

福岡選手の思い出を語る英進館の神田課長

英進館の生徒への福岡選手のメッセージ

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で、スコットランドとの1次リーグA組最終戦(13日・日産スタジアム)に臨む日本代表メンバーが11日に発表された。福岡高出身の福岡堅樹選手(27)は、初の8強進出が懸かる一戦に今大会初先発。現役引退後は医師を目指す異色のラガーマンの歩みを、小中学校時代に通った塾の恩師も支える。

 今回のW杯は途中出場で2試合連続トライを挙げている福岡選手は、小学5年の3学期から中学卒業まで学習塾「英進館」(福岡市)に通った。中学3年時に塾で担任役だったのが、現在は天神本館高等部本部の神田岳彦課長(49)だ。

 「中学の陸上部とラグビー(玄海ジュニアラグビークラブ)を掛け持ち。ラグビーの福岡選抜で県外遠征などもあり、確保できる勉強時間は少なかったがオンとオフの切り替えがうまく集中能力が高かった」と当時を振り返る。

 福岡選手と神田課長は高校受験直前の厳しい注意が原因となり、一度は仲たがいした。母のぶさん(55)は「理不尽に怒られたと感じたようで、合格の報告に行かず疎遠になった」と明かす。後味の悪い別れ方が心残りだった神田課長は、前回のW杯後にのぶさんを通じて連絡。医学部受験のサポートを申し出た。

 高校3年時に一度は大学の医学部受験に失敗した福岡選手は、筑波大卒業後の2016年4月に「英進館生」に戻った。神田課長と連絡を取り合い、大学医学部受験に備えたインターネット授業を受けながら、競技に打ち込んでいる。

 16年夏は7人制のリオデジャネイロ五輪で日本の4位入賞に貢献する一方、現地でも勉強を続けた。「(現地の)ネット環境が悪くて受講できない」と連絡を受けた神田課長は向学心に驚いたという。今年6月の日本代表の宮崎合宿にも勉強道具を持ち込んだが、「さすがに余裕がない」と練習に集中したという。

 日本では異例ともいえるトップアスリートから医師への転身を目指す福岡選手。「彼の挑戦は両立に悩む子どもたちに勇気と希望を与えているが『特別なことはしていない』という。まずラグビーで歴史をつくってほしい」とエールを送った。 (大窪正一)

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ