現役引退から1年の電撃復帰 不安あるが何よりバスケ楽しい ライジングゼファー福岡 加納督大選手

西日本新聞 ふくおか都市圏版 前田 倫之

練習で激しいディフェンスで相手に食らいつく加納督大選手 拡大

練習で激しいディフェンスで相手に食らいつく加納督大選手

 現役引退から1年の電撃復帰だった。バスケットボール男子、Bリーグ2部(B2)ライジングゼファー福岡の加納督大(まさひろ)選手(35)が、再び背番号「21」のユニホームに袖を通した。ブランクに不安はある。でも、迷いはない。「やれることをやるだけ」。待ち焦がれたバスケ漬けの毎日は楽しくて仕方がないから。

 「オーケー、ナイス」。9月21、22日の開幕カードで2連敗した直後の福岡市内でのチーム練習。重たい雰囲気の中、仲間を鼓舞する声が体育館内に響いた。

 1年ぶりに同じコートに立ち、「体が一回りゴツくなった」同僚たちに何度も吹っ飛ばされた。走れば息が上がる。それでも35歳のベテランは、今のチーム状況と自身の役割を冷静に見つめる。「率先して声を出し、姿勢でみんなを引っ張らないと」。練習は、いつも一番乗りだ。

 那珂川町(現那珂川市)出身。身長185センチ、73キロとバスケ選手としては大柄ではないが、強力なディフェンスを武器にプロの世界を生き抜いてきた。福翔高(福岡市)、九州産業大(同)を経て2007年、bjリーグに参入したばかりの福岡へ入団した。14年からbj滋賀で2季プレーし、Bリーグが発足した16年に当時3部の福岡へ復帰。17~18シーズンにはB2優勝とB1昇格に貢献した。

 だが、いよいよ手が届きかけた最高峰でのプレーはかなわなかった。生え抜き選手として福岡でキャリアを終える覚悟だったが、契約更新のオファーは来なかった。B2優勝が「花道」と自分に言い聞かせ、ユニホームを脱いだ。

 引退後は、福岡のU-15(15歳以下)のアシスタントコーチとして第二の人生を歩み始めた。教えたことをスポンジのように吸収していくジュニア選手たちとの日々は充実していた。

 ともに汗を流した仲間たちがB1で戦う姿を間近で見る機会も多く、誇らしく感じたのは確かだ。ただ、その一方で、気付けばコートでプレーする元同僚に自分の姿を重ねてもいた。「俺ならこう動くのに」

 転機は突然やってきた。資金難で福岡のB2降格が取りざたされた昨季終盤。立ち寄ったチームの事務所で、仲西淳ゼネラルマネジャー(GM)から現役復帰を打診された。

 歩み始めた指導者の道から外れるのか、この年齢で復帰できるのか…。1カ月悩み抜いた末、「挑戦の機会はもう二度とない」と再びコートに立つ決断をした。家族や教え子の応援も背中を押した。引退式で盛大にねぎらってくれたファンには申し訳ないが、プレーで恩返しするつもりだ。

 福岡は昨季の決算で債務超過に陥ったため、今季はB1昇格の申請資格がない中で開幕を迎えた。とはいえ負けていいはずはない。「日本人のNBA選手が誕生し、日本バスケが注目されている今がチャンス。福岡のバスケ文化を盛り上げるために、とにかく上を目指す」 (前田倫之)

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ