長崎-上海線、踏ん張り40年 12月から週3往復に増便

西日本新聞 長崎・佐世保版 岡部 由佳里

長崎空港で9月にあった上海線の開設40年の記念イベントでは利用客に菓子などの記念品が配られた 拡大

長崎空港で9月にあった上海線の開設40年の記念イベントでは利用客に菓子などの記念品が配られた

 中国東方航空(中国・上海市)が運航する長崎空港(大村市)-上海を結ぶ定期航空路線が開設されて、9月で40周年を迎えた。同社にとって東京、大阪に次ぐ3番目の日中航空路線で歴史は古い。長崎空港では他の国際路線は運休が見られる中、昨年は1万7千人が利用し、今冬からは週3往復に増便される。なぜ上海線が続いてきたのか。歴史をひもとくと、長年築いてきた友好関係があった。

 長崎は江戸時代の鎖国期から唯一の交易拠点として中国と歴史や文化面で関係が密接で、日中国交正常化前の1971年、県議会が国交回復と貿易促進に関する要望を決議。正常化後は、県に総領事館の開設などを求める訪問団を中国に派遣し、85年、全国4番目の開設を実現させた。

 往来も盛んで、戦前は上海との間に「日華連絡船」が運航していた。定期航空路線が長崎-上海間に開設されたのは79年。同社の前身・中国民航が、北京、上海を経て長崎を結ぶ便としてスタートさせた。その後北京は外れたが、週2往復に増便。県担当者は「歴史的なつながりの深さが、早い段階での定期航空路線の開設につながった」。

 今年は長崎-韓国・ソウル線が運休するなど、地方空港が国際路線を継続するのは容易ではなく、長崎-上海線もこれまで簡単に維持されてきたわけではなかった。2003年は重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行して約4カ月間運休。週3往復に増やした12年10月には、尖閣諸島問題で両国関係が悪化。わずか3週間後には再び2往復になった。

 ここ数年、50%台だった搭乗率は昨年度66・9%で前年度比8・5ポイント増になった。中国東方航空が目標とする70%には届いていないが、同社は今夏、これまでの2往復に加えて週1往復の臨時チャーター便の運航を始め、12月には定期便化して週3往復にする。

 中国国内の経済成長に伴って旅行意欲が高まる中で訪日客の増加を見込んでおり、県は引き続き、団体旅行を企画する旅行会社と連携して情報発信を続ける。さらに今後増加が見込まれる個人客を取り込むため、インターネット上で旅行を取り扱う会社との連携も深めて上海線をサポートしたい考えだ。

 一方、長崎-上海線の乗客のうち、日本人の利用が3割にとどまっているのも課題だ。県は「便数を維持するには、長崎から中国へ行く人も増やす必要がある」として、県内企業が中国出張する際などに都市部の空港ではなく、長崎空港を利用するよう呼び掛けに力を入れる。(岡部由佳里)

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