「幼い頃、ここでね…」

西日本新聞 社会面 塚崎 謙太郎

 「幼い頃、ここでね…」。自分の故郷に恋人やわが子を案内し思い出を語る。そんな経験がある人は多いはず。では親友が故郷にやって来るとしたら、どうだろうか。

 学生時代、8ミリフィルムで映画を撮った。監督に憧れていた。卒業間際の作品は途中でカメラが壊れ、未完のまま。それから約30年。幻の作品に出演してくれた友は、映画やCMなど、今や押しも押されもせぬ人気俳優に。彼が監督した長編2作目も来年公開される。活躍ぶりを誇らしく感じながらも、「そっちはどうだ」とハッパを掛けられている気もして、俺も負けられん、と身が引き締まる。

 彼が私の故郷、福岡県久留米市で舞台に立っている。シャーロック・ホームズの相棒ワトソン役だ。1カ月半45公演の大千秋楽をきょう久留米で迎える。人気者ゆえ、あちこち連れ回す時間はなさそうだが、名物の焼き鳥で乾杯はできそうだ。佐藤二朗、ようこそわが町へ。(塚崎謙太郎)

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