ラグビー日本快進撃に宗像の絆 サニックス前監督・藤井強化委員長 代表・ジョセフHCと二人三脚

西日本新聞 社会面 大窪 正一

ジョセフ・ヘッドコーチ(右)をサポートする藤井強化委員長 拡大

ジョセフ・ヘッドコーチ(右)をサポートする藤井強化委員長

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で、史上初の8強入りを懸けて13日にスコットランドとの1次リーグA組最終戦(横浜・日産スタジアム)に臨む日本代表。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)(49)の精神的支柱となっているのは、現役時代から20年以上の交流がある日本ラグビー協会の藤井雄一郎強化委員長(50)だ。

 西日本社会人の下部リーグ時代のサニックス(現宗像サニックス)で1999年から2シーズン共にプレーした。FWとバックスながら「不思議とウマが合った」と藤井強化委員長。ジョセフHCがスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズの指揮も執った昨季はゼネラルマネジャーとしてスタッフ入りした。代表強化でも力を貸してほしいと頼み込まれ、昨季限りでトップリーグ(TL)の宗像サニックスの監督を退任。黒子に徹しながらサポートする覚悟を決めた。

 元ニュージーランド代表のジョセフHCが掲げる高い目標と選手の思いの間にできた「溝」を埋めるのが役割の一つだ。時には不満のある選手を食事に連れ出してジョセフHCの真意を説明。選手側の意見もジョセフHCに伝えた。今大会のアイルランド戦前、リーチ・マイケル主将の起用法の意見を求められて「先発外し」と「切り札起用」を進言。金星につながった。

 苦労人だからこそ心の機微が分かる。奈良県出身で天理高、名城大でプレー後、一度は名古屋市の一般企業に就職した。その後、当時西日本社会人リーグのニコニコドー(熊本)の入部面接の機会を得ると退路を断つ。「会社を辞めて車に家財道具を詰め込んで熊本に向かった。『帰る所がないから入れてくれ』と頭を下げた」。生鮮食品担当として馬刺しをさばき、ラグビー部では主将も務めた。廃部後に誘われたサニックスで出会ったのが、まだ現役だったジョセフHCだ。

 現職に就いてから福岡県宗像市の自宅に戻る時間はほとんどない。二人三脚で歩んできた藤井強化委員長も多くの犠牲を払い、チーム強化に尽力した一人だ。「目標はベスト8だが、その次(4強)も狙う」。カラオケで「島唄」を一緒に歌い、家族ぐるみで親交を深めてきたジョセフHCと喜びを分かち合う瞬間を待つ。 (大窪正一)

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