自公連立20年 なれ合い排し切磋琢磨を

西日本新聞 オピニオン面 永田 健

 1999年に自民、自由、公明の3党が連立政権を樹立した。現在の安倍晋三首相の政権を支える自公連立の起源である。今月で20年が経過した。

 2009年の民主党への政権交代で下野した苦難の時代も自公は連携を保ち、12年に政権奪還を果たした。安倍首相が「風雪に耐えてきた」と表現したのも、決して過言ではあるまい。公明党の山口那津男代表も「政治を安定させ、国民の幅広いニーズを受け止めてきた」と自公連立を評価している。

 「自主憲法制定」を結党以来の党是とする自民党と、「平和と福祉」を一貫して掲げてきた公明党との連立である。時に政治的な対立と緊張をはらみながら、妥協と合意で維持してきた連立だったとも言えよう。

 民意の多様化と政党の多党化を背景に1990年代以降は「連立政権の時代」といわれる。ただ、連立の相手は組み替えられたり、連立政権そのものが短命に終わったりする場合が少なくない。その意味でも、20年の長期に及ぶ自公の蜜月関係は傑出している。

 両党が強固な関係を築き上げた最大の理由は、相互に恩恵を受ける選挙協力の実績だろう。幅広い保守層を中心に各界でも支持基盤を固める自民党と、支持母体の創価学会による組織的な集票活動に定評のある公明党の組み合わせは、衆院小選挙区の接戦区などで抜群の相乗効果を発揮した。公明党の支援を受ける自民党候補が「選挙区は自民、比例は公明」と呼び掛ける方式もすっかり定着した。

 中央政界での自公連立に先立って、多くの地方議会で自民党系の保守会派と公明党会派が与党として首長を支える「保守・中道」路線が根付いていた事情も見逃せない。

 一方、安全保障政策では対立する局面もあった。陸上自衛隊イラク派遣(2004~06年)や集団的自衛権の行使を容認する閣議決定(14年)はその象徴だ。数の力で圧倒する自民が結果的に公明の譲歩を引き出すパターンが目立つが、今月からの消費税増税に伴い導入された軽減税率のように、低所得層への配慮を求める公明党の主張で実現した政策も少なくない。

 今後の最大懸案は安倍首相が悲願とする憲法改正だ。首相は21年9月までの自民党総裁任期中の改憲に強い意欲を示す。これに対し公明党内には9条改正への反対論や慎重論も根強い。「政権のブレーキ役」を自任する公明の真価が問われよう。

 連立政権が歴史を刻み、選挙協力を含む一体化が進めば、なれ合いに陥る危険もある。互いに切磋琢磨(せっさたくま)して与党の責任を果たしてもらいたい。

PR

社説 アクセスランキング

PR

注目のテーマ