書店で本と、人と出会って 座って語らって読書会も 店主・古屋さん

西日本新聞 長崎・佐世保版 徳増 瑛子

 椅子に座ってもらって、ゆっくりと本について語り合いたい-。本が大好きな店主の気持ちが形になった本屋が長崎市大浦町にある。些細(ささい)なことが予測不可能な現象の引き金になる「バタフライ効果」。そんな効果を引き起こすような本と巡り合ってほしいと願い、古屋桂子さん(37)が4月にオープンした。

 店名は「Book with Sofa Butterfly Effect(ブック・ウィズ・ソファ・バタフライ・エフェクト)」。手狭な空間に所狭しと700冊ほどが並ぶ。「面白いと思えた本しか置いていない」。本を通じて多様な人生の可能性に気付かされる、と言う。

 店を構えたきっかけは、中学1年の娘、幸香(ここ)さん(13)や友人が、興味津々に自宅リビングの本棚から哲学書や小説を手に取って、読む姿を見たこと。自らがそうだったように、子どもは大人が面白がって本について語っていると、それを聞いて関心を持ち、読書するようになるのだと知った。

 ただ、気軽に本について語り合える機会は少ないと感じる。「本を通じて人と人が交わる場所をつくりたい」。原動力になった。

 長崎市出身。高校卒業後、21歳で結婚を機に東京へ行き、保険会社などで働いた。24歳で女の子を出産。東日本大震災があった2011年に長崎へ戻った。

 月2~4回、本を読んでいなくても参加できる読書愛好会を開いている。参加者は小学生くらいから70代までさまざまで、親子で訪れる人もいる。意見を交わすことで気付かなかった点に触れ、視野が広がる。会に参加して本が好きになった人もいる。

 人生に「絶対に正解」と断言できるものはない、と思う。本を読み、あーでもない、こーでもない、と考え抜くことで「思考力が鍛えられ、壁にぶつかっても自分を客観視できるようになる」。

 哲学的なようだが、案外単純な性格でもある。好きなことは「しゃべって、読んで、無駄な時間を過ごすこと」と言う。(徳増瑛子)

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