リーダー資質、恩師と磨き 流選手 多国籍チーム一体化へ腐心

西日本新聞 社会面 大窪 正一

 166センチの小さな体に詰め込んだ大きな「夢」をかなえた。熊本・荒尾高(現岱志高)出身のSH流大(ながれゆたか)選手(27)は抜群の統率力で、大一番に臨んだチームをまとめた。スコットランド戦も先発出場。テンポの速い攻撃を演出して4連勝を呼び込んだ。「リーダーになりたいと思ったことはない」。そう照れるが、中学から高校、大学、社会人と全てで主将。若手主体の日本代表で臨んだ2年前のアジア選手権では代表初出場でキャプテンを任され、昨季のスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズでは共同主将も経験した。「僕のラグビー人生の基盤は高校時代」。恩師の徳井清明監督(52)との出会いが天性のリーダー資質を磨いた。

 福岡県久留米市出身。小学3年から「りんどうヤングラガーズ」でラグビーを始めた。サッカーと掛け持ちしながらも強豪の東福岡高進学を考えていたが、人間としての成長も重視する徳井監督から熱心に誘われて進路を変更した。

 ただ、初心者や熱心でない部員もいる。入学当初は徳井監督との交換日記で後悔をにじませた。徳井監督から「言うべきことは伝えてその分、それなりの行動を」と日記で助言を受けて実践。朝練に向け、朝5時半の電車に乗って部室に一番乗りした。夏バテ防止で教室の冷房を級友に頼み込んで切ったこともある。今につながる率先垂範のリーダーシップを発揮した。

 海外出身選手が半数近くを占める多国籍チームの代表でもぶれない。リーダーグループの一人として、リーチ・マイケル主将(31)の負担を減らそうとグラウンド内外で行動した。宮崎合宿では温泉好きのトンガ出身選手と湯船に漬かったり、すしを食べに行ったり。「宿舎の食堂で外国人選手と日本人選手が交じり合って食事するのが自然になった」と目に見えない壁を取り払っていった。

 肌の色も言葉も異なる多様な桜の戦士が心一つに高め合う一体感醸成に腐心したからこそ、勝負どころでチームに「あうん」の呼吸が生まれた。グローバルとローカルを合わせた「グローカル」をテーマに掲げる日本代表。流選手は、変革が求められる日本社会のヒントにもつながる「ワンチーム」の大きな可能性を信じている。 (大窪正一)

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