水俣病との闘いけん引 坂本フジエさん 運動仲間ら最期の別れ

西日本新聞 熊本版 村田 直隆

 自身も水俣病の認定患者でありながら患者や被害者に寄り添い、原因企業チッソや行政と闘い続けてきた坂本フジエさん(享年94)の葬儀が15日、水俣市で営まれた。ともに闘った仲間ら約130人が参列し、強い意志と優しさを持ち合わせた人柄をしのび、悲しみを分かち合った。

 フジエさんが中心になって活動してきた水俣病互助会の伊東紀美代事務局長(77)が弔辞を述べ、「被害者が頑張らんば」というフジエさんの口癖を紹介。「被害者が闘うのは決して権利ではなく、むしろ義務。それが新たな犠牲を起こさせない力になるという確信があった」と推し量った。

 長女真由美さんを水俣病で亡くし、次女しのぶさん(63)は胎児性患者として生まれてきたことに触れ「フジエさんを突き動かしてきた力は、真由美さんへの尽きることない愛惜と、しのぶさんへの強く生きてほしいという願いとともに、同じ病に苦しむ人々への大きな愛情と連帯でした」と在りし日をしのんだ。

 水俣病第1次訴訟でともに闘った同会の上村好男会長(85)は「フジエさんの言葉の力に勇気づけられて、(チッソ側による)訴訟派切り崩しをはねのけ、裁判を戦い抜くことができた。大黒柱がいなくなって寂しい」と声を詰まらせた。

 遺族代表の孫坂本奈美さんは「人として大切なことをたくさん教えてもらった。安らかに眠ってください」とフジエさんに感謝。出棺前に花を手向ける場面では、しのぶさんが声を上げて泣き、最期の別れを惜しんだ。(村田直隆)

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