長崎県庁跡、遺構の有無確認 県教委 16日から文化財調査

西日本新聞 長崎・佐世保版 野村 大輔

 戦国時代に教会があり、江戸時代は長崎奉行所西役所があった長崎県庁舎跡(長崎市江戸町)で、16日から県教育委員会による埋蔵文化財の発掘調査が始まる。県などが新たに文化芸術ホールを整備するのを前に、18カ所を試掘して遺構の有無を確認するが、見つかった場合は対応策を検討する。県教委は「予断を持たずに調べたい」としている。

 調査期間は1年間の予定。だが、こうした調査の実施前にホール整備を決めた県の姿勢に異を唱える歴史研究者らは、調査の範囲と期間についても「不十分」と不満を募らせている。

 県教委学芸文化課によると、最初の3カ月の事前調査で遺構の有無や分布状況を確かめ、その結果を踏まえて本格調査に入る。事前調査する範囲は計973平方メートルの予定。11月末と12月末に現地見学会を開く。

 調査は県文化財保護審議会に諮って了承されているものの、歴史家やキリスト教関係者でつくる「長崎県庁跡地遺構を考える会」の共同代表、稲富裕和・県考古学会会長は、試掘する18カ所について、遺構が既に壊された可能性が高い場所に偏っていると指摘。「敷地全体を掘らなければ遺構の有無は分からず、文化財としての価値も判断できない」と話す。

 一方、ホール建設に向けた動きは着々と進行している。県は、ホール整備を含めた県庁舎跡再開発の基本構想の作成を事業者に委託しており、来年9月の県議会定例会で内容を示す方針。稲富さんは「開発が前提で、遺構を保存するという考えが全くない」と反発している。(野村大輔)

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