「古月横穴」歩みたどる 発見から93年、鞍手町で企画展 19日に現地見学会

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 鞍手町古門の丘陵地にある国指定史跡の横穴墓群「古月(ふるつき)横穴」発見から史跡公園となった現在までを紹介する企画展「史跡の保存と整備」が同町小牧の町歴史民俗博物館で開かれている。19日には現地で見学会を開催。企画展は12月8日までで、入館無料。

 同館学芸員の田中暁さんは「発見から93年。古墳時代の墓であること、誰が発見したのか、どのように発掘、整備されて今日の史跡公園になったのかを、皆さんに知ってほしい」と企画展の狙いを語る。

 古月横穴は丘陵の斜面に造られ、40基の横穴墓がある。副葬品などから、古墳時代後期の6世紀後半から7世紀後半にかけての築造とみられている。最大の9号墓の玄室内は、奥壁などに赤色で文様(装飾壁画)が彫り込まれている。2号と6号墓にも文様がある。

 発見者は農業を営んでいた地元の白石藤六氏。所有していた山林を伐採したところ、山の斜面に小さな穴を見つけた。1926年に横穴墓と分かり、同年の国の調査で装飾壁画が発見された後、27年に地元中学校校長の石塚常彦氏が発掘調査で基礎資料をつくった。

 国の調査を伝える26年9月7日付福岡日日新聞(西日本新聞の前身)には「鞍手古月の横穴 更(さら)に新事実を発見」との見出しで(1)丘の中央部の高く積み重なった土が塚であること(2)横穴の内部にX字型の模様がかすかに読まれること-を「新事実」とし、白石氏が「公園を設けて保存すると言っている」と書いた。

 国史跡指定は32年。町は94年度から10カ年をかけた保存整備事業で墓室入り口部の補強や見学用遊歩道などを整備。さらに、2014年度から18年度まで再整備事業に取り組んだ。

 企画展では、発見者の人物像、9号墓の壁画写真や出土品、国史跡指定当時の地形測量図、「新事実」を伝える新聞紙面などを展示。発見から現在までを分かりやすく解説したパンフレットを配布する。19日の見学会は午後1時~3時(雨天中止)で、随時参加が可能。2号と6号墓を特別公開する。

 同博物館=0949(42)3200。 (安部裕視)

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