仰星学園の使途不明金問題 実態解明に懸念の声 有識者「県は徹底調査を」

西日本新聞 ふくおか版 竹次 稔 諏訪部 真

 単位制の私立高校を運営する学校法人「仰星学園」(北九州市八幡西区)で生徒から徴収した補習代の数百万円が使途不明となっている問題で、同法人が県の事情聴取に「私的流用はなかった」と説明していることが分かった。収支の詳細な報告がないため実態解明が進むかは不透明だが、県は2018年度に私学支援の補助金約1億円を交付しており、同法人には正確な「資金収支計算書」の提出義務がある。有識者は「所管する県が徹底的に調査すべきだ」と指摘する。

 西日本新聞は内部資料などから、15~18年度の4年間で同法人が補習代計1600万円超を生徒から徴収しながら収支計算書に記載せず、このうち少なくとも500万円以上が徳重光理事長に渡り、使途不明になっていると報じた。内部文書の支出欄には「理事長指示」や「理事長へ」などの文言も記されていた。

 報道などを受け、県は私立学校法などに基づいて説明を求めた。同法人は9月6日付で、補習代は滞納された授業料の穴埋めや、経済的な事情で定期代が支払えない生徒に渡すなど「生徒、家庭の支援に遣った」と説明。簿外処理は「14年に徳重氏が理事長に就任する前から行われていた」として、徳重氏に直接の責任はないと釈明したという。

 同法人が設立された06年から理事を務める八幡西区選出の縣善彦県議(自民)は取材に、「(徳重氏が)オーナー的に(経営を)やってきて、法令に触れるような、どんぶり勘定的なところが確かにあった。県が(収支計算書の修正を)指導をしていると思う」と話した。その上で「私的流用したなどと断じると(理事長としての)社会的な使命が果たせなくなる」として、徳重氏の責任追及は必要ないと擁護する。

 徳重氏はこれまでの取材に「補習代は私の机に鍵を掛けて保管していた。支出の記録は残していない。領収書は作っていない」と答えている。これに対し同法人の元幹部は「徳重氏は理事長就任の前から会長という立場で法人の資金管理を一手に担っていた。プールされた補習代の扱いは不透明で、いつか問題になるのではないかと懸念していた」と証言する。

 私学法は、県に立ち入り検査や必要な措置の命令を認めている。県私学振興課は「一般論としては、間違った報告は修正が求められる」としており、追加説明を求めているとみられる。法人側も「修正事項について県と話している」としている。

 立命館大の堀雅晴教授(行政学)は「私学では金銭的な不祥事が相次ぎ、学校法人の理事会や監事がより厳しく監督するよう法改正されてきた経緯がある。『記録がない』では済まされず、県は厳しく対処すべきだ。補助金を受ける学校法人も説明責任がある」と強調する。また、県議が法人理事を務めていることについては「違法ではないが、県は指導がしづらくなり、適切ではない」と指摘している。 (竹次稔、諏訪部真)

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