好調ウォーレン氏に批判 民主党候補者討論会 主張あいまい、集中砲火

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 来年11月の米大統領選の民主党候補者指名を争う12人が15日、中西部オハイオ州で開かれた同党討論会に出席した。4回目の今回は、世論調査で支持率トップを獲得する結果が出始めている最左派で女性のウォーレン上院議員への攻撃が殺到。ウォーレン氏は主要政策に掲げる国民皆保険の導入に絡む批判をかわすしたたかさを見せた。ただ、急進的な改革に対する党支持者の抵抗感は根強く、混戦を抜け出せるかは見通せない。

 国民皆保険の導入を巡っては財源確保が焦点。ウォーレン氏は「富裕層と大企業に負担させる」と主張した。だが、同じく導入を主張するサンダース上院議員が、中間所得層の税負担増の可能性に言及するのに対し、ウォーレン氏は明言を避け「中間層の負担は全体として増えない」とあいまい。支持率トップを争うバイデン前副大統領など穏健・中道派の候補から「増税するかどうか言わないことに有権者はいら立っている」と非難されても動じず、頑固な姿勢を貫いた。

 ウォーレン氏がフェイスブックなど大手IT企業に独占禁止法を適用し、分割させると訴えていることについても「懲罰的で賛同できない」と疑問視する声が上がったものの「激しく闘う」と意に介さなかった。

 元ハーバード大教授の経済学者で政策を分かりやすく説くウォーレン氏は夏以降、徐々に支持を拡大。今月初旬には政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた世論調査の平均支持率で、トップを走るバイデン氏を一時抜いた。米メディアの中には、批判をかわすしたたかさは、再選を目指すトランプ大統領の激しい攻撃にも対抗できるとの評価もある。

 ただ、支持率上昇は、トランプ氏が主張しているバイデン氏の息子とウクライナ企業との関係に不正があったとする問題や、サンダース氏が心筋梗塞で一時入院し、健康不安説が浮上した影響など「敵失」が追い風になっている側面が否めない。

 民主党支持層には、公的社会保障の大幅な拡充など大胆な改革を嫌う意見が少なくない。そうした中、財源に関する疑問に答えないまま国民皆保険導入を訴え続けることで、中間所得層を中心に税負担増の懸念が広がり、支持拡大の妨げになるとの指摘も上がる。 (ワシントン田中伸幸)

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