イラストレーター和田誠さんの本紙訃報に「落語の台本もこなした」と紹介されていた

西日本新聞 社会面 宮原 勝彦

 イラストレーター和田誠さんの本紙訃報に「落語の台本もこなした」と紹介されていた。落語ファンである私の胸が騒いだ。1979年、東京のホールで和田さん作の落語を披露する会があった。これがレコードとして販売され、私は今も所有している。

 演題と演者は「空海の柩(ひつぎ)」(五街道雲助さん)「闇(やみ)汁」(入船亭扇橋さん)「荒海や」(春風亭小朝さん)など。このうち「空海の柩」は、江戸時代にタイムスリップした男が、当面の生活費のため、道具屋にカメラを売りつけたところから騒動が始まる。

 何の道具なのか、店主も、男の後に来店した客の武士も分からない。「2個の亀と言ってました」「亀には見えぬ。べっ甲細工か?」「何でも男は空海の柩に入ったとか…」。男は「これはニコンのカメラ」「自分は空間のひずみに入った」と説明していたのだ。40年後も色あせないオチ。イラストに限らず多才な方だった。 (宮原勝彦)

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