協定見直し再び足踏み? オスプレイ配備計画 漁協は「ノリ漁に集中」

西日本新聞 佐賀版 金子 晋輔

 陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画を巡り、防衛省九州防衛局による県有明海漁協への説明会が全15支所のうち、拒否などした3支所を除く12支所で終わった。自衛隊との空港共用を否定した県と漁協との協定の見直しを見据え、山口祥義知事は「議論の深まり」に手応えを見せる。だが、漁協は27日から本格化するノリ漁に集中する構えをみせ、組織内で議論を進めることに否定的だ。知事の受け入れ表明から1年余り。見直し議論は再び足踏みとなるのか。

 「計画の内容や環境保全対策など、さまざまな説明を(漁協側が)聞いて、議論が深まってきたと思う」。山口知事は16日の記者会見で防衛局の説明会をこう評価した。

 防衛局は9月中旬から今月15日までに12支所で説明会を開催。広瀬律子局長が自ら計画の重要性を語るとともに、漁業設備の補助など振興策に触れて、支所幹部に理解を求めた。

 説明を聞いた支所トップの一人は「国防への協力は重要。あとは協定をどう見直すかだ」。ある空港周辺の地権者も「条件闘争の結果次第だ」と、国との交渉の具体化に期待を示す。

 「以前は反対一色だったが、計画に理解を示す声も出てきた」。県幹部は漁協内の空気に変化の兆しがあると感じている。

 山口知事は昨年8月に計画受け入れを表明したが、反対も根強い漁協の意向に配慮し、昨秋から今春までのノリの漁期に動かなかった。ただ、今秋からの漁期については「ノリが最優先だが、協議が進むことがあれば対応していただきたい」と述べた。

 とはいえ、配備予定地の地権者が多く所属する南川副、早津江両支所は「説明会は不要」との立場を崩さず、芦刈支所は「あいさつは受ける」とする。協定見直しには地権者の理解を得ることも必要で、県の思惑通りに進むかは不透明だ。

 今月2日、山口知事や漁協幹部が、県内視察した江藤拓農相に対し、有明海再生に向けた取り組みの継続をともに求めた。その後、山口知事が漁協幹部たちに「飲みに行きましょう」と誘ったが、幹部の一人は無言を貫いた。その幹部は取材に「オスプレイは受け入れない」。

 徳永重昭組合長は説明会の受け入れを各支所の判断に委ねてきたが、9月末にノリ漁の解禁日が決まると一転、「漁に集中しよう」と呼び掛けた。漁協幹部は「本業をおろそかにするわけにはいかない。内部で議論する予定はないし、漁期中に県や防衛局の動きもないだろう」と話した。(金子晋輔)

【ワードBOX】オスプレイ佐賀空港配備計画

 陸上自衛隊のオスプレイ17機を佐賀空港に配備する計画。駐機場や隊員宿舎など駐屯地を空港西側の干拓地約33ヘクタールに整備する。この駐屯地予定地と周辺計約90ヘクタールを県有明海漁協の4支所の漁業者ら約550人が所有。自衛隊の空港共用を否定する県と漁協との公害防止協定覚書付属資料の見直しや、予定地の地権者の同意が配備には必要になる。

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