ラグビー代表合宿支え30年 宮崎県協会理事・山口さん 誘致に奔走

西日本新聞 社会面 中原 興平

 宮崎県で合宿を行うラグビー日本代表を、30年以上にわたり支えてきた人がいる。県ラグビーフットボール協会理事の山口雅博さん(68)。合宿の支援や誘致に奔走し、整備工の経験を生かして用具の製作まで引き受けてきた。「練習の厳しさを選手やスタッフの次に知るからこそ、さらなる躍進を信じている」。代表初となるワールドカップ(W杯)の準々決勝を心待ちにしている。

 「こんばんは、マサ。もうすぐオムレツできます」。1次リーグ最終戦を翌日に控えた12日夜、ローマ字のメールが送られてきた。差出人は、代表を率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)。謎かけのような文面には、合宿でのやりとりを踏まえた必勝の決意が込められていた。

 6~7月に宮崎県内であった代表合宿。息もつかせぬ練習があまりに過酷だと心配する山口さんに、HCが説いた言葉が「卵を割らなければオムレツはできない」。リスクを乗り越えてこそ成果が得られるという海外のことわざだ。

 メールの言葉通り、代表は全勝で初の8強進出を決めた。「勝つと信じていた」と山口さんは喜ぶ。

 都城高(宮崎県都城市)ラグビー部の創設メンバー。1985年ごろから県協会役員として合宿の支援を担ってきた。本業は自動車整備工場の経営だが合宿中は練習場に日参。チームのさまざまな要望に応じる。

 W杯と同じ高さ17メートルのポールが必要だと聞けば、知人とともに自作。昨年にはゴルフカートを改造し、後部に大型モニターを備え付けた。ドローンで撮った練習の映像をその場で確認できるようになり、プレーの精度向上に一役買った。

 懸命の支援の理由は「ラグビーへの恩返し」。競技を通して相手を敬うフェアプレーやノーサイドの精神を学んだことが、自らの人生の礎になったのだという。日本代表は20日、決勝トーナメントに臨む。「最大の望みは一人でも多くにラグビーの魅力を知ってもらうこと。最高の試合を期待したい」 (中原興平)

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