毎年この時期

西日本新聞 社会面 松井 知祥

 毎年この時期、朝刊編集者を悩ませるノーベル賞ウイークが終わった。日本人が受賞した場合、紙面構成が大きく変わる。両にらみで構えるので、全体の紙面作りは普段より後ろにずれ込み、発表と同時に慌ただしくなる。中でも文学賞は、発表が午後8時と他より遅いので忙しかった。

 話題の人や地元関係者が選ばれれば、号外も発行する。今年はその担当だった。号外はどれだけ早く出せるかが勝負。受賞を前提に書かれた予定原稿で紙面を作り、準備万端で待機。だが、受賞を逃すと、「幻の紙面」はシュレッダーにかけられる運命。まさに身を切られる思いだ。

 今年の化学賞は九州にゆかりの吉野彰さんに決まった。掲載予定だった話題ものなど別の原稿の多くは、付けた見出しとともに没となり、作業は一からのやり直しを迫られたが、職場はにわかに活気づいた。できた紙面を眺めながら、心地よい疲労感を味わえた。 (松井知祥)

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