堅樹、また涙のトライを 福岡選手と13年プレー谷山さん 南ア戦「全力出し切って」

西日本新聞 社会面 末継 智章

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で初めて準々決勝進出を果たした日本は、20日に味の素スタジアム(東京)で南アフリカ戦に臨む。日本人初のW杯3試合連続トライを決めるなど日本の躍進を支える福岡堅樹選手(27)には忘れられない試合がある。福岡高3年時に出場した全国高校ラグビー大会1回戦の本郷(東京)戦だ。劇的な逆転トライで同校を勝利に導き、号泣した。幼なじみで当時チームメートの谷山俊平さん(27)は「堅樹が泣いたのを見たのはあのときだけ」と記憶をたどる。

 2人は5歳で玄海ジュニアラグビークラブ(福岡県宗像市)に入って競技を始め、高校卒業までの13年間一緒にプレーした。谷山さんも正確なキックやパスを武器に同クラブや福岡高でチームの中心として活躍。それでも、常に主力としてトライを量産する福岡選手との差を感じていたという。「環境が変わってもぶれない。信念を持ってわが道を進んでいた。堅樹なら日本代表になれると確信していた」。きつい練習や逆境でも福岡選手の弱音を聞いたことがない。福岡選手は高校2年の夏に左膝前十字靱帯(じんたい)を、3年の夏にも右膝前十字靱帯を断裂。それでも黙々とリハビリに打ち込む姿が印象に残った。

 福岡高が28年ぶりに出場した全国高校大会1回戦だった。7-8で迎えた試合終了間際、パスを受けた福岡選手は約60メートルを独走して相手を引きずるように左隅へ。ぎりぎりのプレーだったが、相手のタックルが危険と判断されて認定トライとなり、逆転勝利を収めた。「勝てると思っていなかった展開からの逆転。堅樹もみんなと一緒に興奮して泣いて抱き合った」と谷山さん。福岡選手は試合翌日に高熱を出した。

 来年の東京五輪を最後に引退する話は、2013年に東京五輪開催が決まった直後に聞いた。「普段は大きなことを言わないので驚いた。覚悟を感じた」。その後の福岡選手の活躍を特別な思いで見守る。13日のスコットランド戦の直後、LINE(ライン)で「堅樹、最高」とメッセージを送ると「次も頑張るわ」と返ってきた。「いつもの返事でぶれていない。南アフリカ戦でも全力を出し切ったトライを見たい。日本が決勝まで行けばトライ王にもなれる」と期待を膨らませている。 (末継智章)

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