油被害「家屋最大250万円補償」 佐賀鉄工所、大町町で住民説明会

西日本新聞 佐賀版 河野 潤一郎 金子 晋輔

 8月の記録的大雨で大町町の工場から油が流れ出た佐賀鉄工所は19日、家屋が油被害で損傷した206軒の住民を対象にした初の説明会を同町役場で開始し、補償額を提示した。鉄工所は金額を公表していないが、参加者によると補償額は被害規模に応じ最大で250万円。鉄工所は月内から各戸を回って早急に合意を得たいとする一方で、金額交渉には応じない姿勢を示した。説明会では提示額や対応などに不満の声も上がったという。

 町によると、油の影響による家屋被害は、19日現在で全壊77軒、大規模半壊72軒、半壊1軒、床下浸水56軒に上る。この日の説明会は特に被害の大きい下潟地区など94軒を対象に、4グループに分けていずれも非公開で開いた。

 鉄工所によると、説明会では坂田潤一社長が油流出で被害を与えたことを謝罪し、同社幹部が補償内容を説明した。参加者によると、町が判定した全壊で250万円、大規模半壊は200万円、半壊が100万円、床下浸水は80万円を一律に支払うという。

 説明を聞いた下潟地区の公務員男性(61)は、自宅が1・3メートルまで油混じりの水に漬かり「全壊」と判定。鉄工所から提示された補償金額に「鉄工所としては精いっぱい頑張ったと思うが、(大雨で鉄工所から油が流出した)約30年前にもっと鉄工所に厳しい対応をしていれば今回のようにはならなかった」と悔しさをにじませ、補償を受け入れるかどうか家族と相談して決める。

 男性によると、説明会では同地区住民から「補償金額が低い」「ごね得は許すな」などの怒声も飛び交ったという。

 同地区で自宅が「全壊」とされた50代女性は「金額に納得した訳ではないが、災害だから仕方がない部分もある」と複雑な心境を語った。参加者によると、約30年前に今回と同様に油を流出させた鉄工所側に「次は絶対に起こさないと約束してくれ」と誓約書を求める声もあったという。20日の説明会は午前9時から開く。(金子晋輔、河野潤一郎)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ