時枝俊江さんのデビュー作上映 直方ゆかりの記録映画作家 11月3日

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 直方市の市民グループが主催する「第6回殿町シネマ」が11月3日に同市山部のユメニティのおがた小ホールであり、地元ゆかりの女性記録映画作家、時枝俊江さん(1929~2012)のデビュー作品「町の政治 べんきょうするお母さん」(32分・1957年)を上映する。

 市民グループは「殿町シネマ実行委員会」(樋口清代表)。映画館が姿を消した直方に映画の火をともし、にぎわいを取り戻そうと活動する。11月2、3両日に須崎町、古町商店街などで展開される「直方映画祭」に参加。焦点を当てる時枝さんについて「生誕から90年。映画人生と作品を知ってほしい」と呼び掛ける。

 時枝さんは直方高等女学校(現直方高)の卒業生。51年に岩波映画製作所に入った。「町の政治」で、米軍基地によって風紀が乱れていると懸念し、子どもたちのために健全な環境を取り戻そうと、東京・国立市の母親たちが立ち上がり、町の予算書の勉強会から文教地区の指定を勝ち取っていく活動の過程を撮った。

 テレビ番組や映画の制作を手掛ける「グループ現代(東京)」プロデューサーの川井田博幸さん(65)は直方市出身で、実行委メンバー。時枝さんと「町の政治」を「女性が映画の世界に入るのが珍しい時代に監督となり、女性が地域の問題に目を向けた先駆けの活動を記録した」と評する。

 「殿町シネマ」では、炭坑絵師の山本作兵衛さんの作品と人生に日本の近現代を重ねて描いたドキュメンタリー映画「作兵衛さんと日本を掘る」(111分)を同時上映。監督の熊谷博子さん、時枝さんはともに、水俣病を追い続けた記録映画作家の土本典昭さん(2008年死去)と仕事を共にしており、川井田さんは「時代も作風も違うが、土本さんを介して2人はつながっている」と語る。

 「殿町シネマ」は当日正午~午後3時40分。前売り1300円(当日1500円)、中学生以下無料。幕あいで直方市出身の映像作家、佐藤博昭さんが記録映画の魅力、2人の女性監督の作品や作風などについて語る。 (安部裕視)

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■直方映画祭は11月2、3日

 7回目となる直方映画祭は11月2、3日に須崎町商店街の旧松月旅館、お茶の山本園、メンズショップ栗原と古町商店街のBoutonの4会場で開かれる。

 直方市立図書館の「土曜シアター」と市民グループによる「殿町シネマ」も映画祭の一環でユメニティのおがたを会場に上映する。

 「灰とダイヤモンド」(1958年)「コミック雑誌なんかいらない!」(86年)や「聖なる酔っぱらいの伝説」(88年)「ギターはもう聞こえない」(91年)「あみこ」(2017年)「岬の兄妹」(19年)など、6会場で計24作品。

 「殿町シネマ」を除き、各日800円の通し券で鑑賞できる。2日のみの「土曜シアター」は「夏至」(00年)など3作品を上映し、いずれも無料。

 旧松月旅館には「角打ち風カフェ」が設けられる。直方映画祭のフェイスブックに情報を掲載している。実行委=0949(22)5500。

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