受刑者の高齢化深刻 女性収容、鳥栖市の麓刑務所 入浴や食事、介助必要

西日本新聞 佐賀版 星野 楽

 九州唯一の女性収容施設である鳥栖市山浦町の麓(ふもと)刑務所が10月中旬、報道関係者に公開された。20歳から91歳の受刑者246人(1日現在)を収容。職員の案内を受けて施設に入ると、受刑者の深刻な高齢化を目の当たりにした。

 JR新鳥栖駅から北へ約1キロ。約4万5900平方メートルの敷地には、浴室や美容室、一度に200人が入れる食堂など、生活に必要な設備の大半がそろう。

 定員1人の単独室(約5平方メートル)と、同6人の共同室(約18平方メートル)を見学した。壁には青色の肌着がハンガーできちょうめんに掛けてある。下着や本などの私物はチャック付きの白い布袋にまとめ、鍵が掛けられている。窓には白いカーテン、扇風機やテレビもある。施設の定員は302人。約10年前は400人近くが収容されたが、近年は減少傾向で、2018年の平均収容人数は254人。

 通路で白髪交じりの受刑者とすれ違った。同年末の65歳以上の受刑者数は全体の2割ほどで、10年前と比べると割合は4倍増。同所の枝光克彦調査官は「男性に比べて、高齢女性による窃盗などの犯罪が増えている」と話す。

 高齢化に伴い、長時間の細かい作業が難しい受刑者も多いという。商品の袋詰めなど簡単な作業メニューを取り入れたほか、今年2月からは介護福祉施設職員による定期的な健康体操を開始した。入浴や食事で介助が必要な高齢受刑者には刑務所職員や介護福祉士の資格を持つ受刑者が付き添うが、枝光調査官は「進む高齢化を考えると、民間介護施設との連携も欠かせない」と打ち明けた。

 出所後の受け皿探しにも重点を置く。身寄りのない高齢受刑者の出所時は、刑務所が自治体と連携、老人ホームや介護施設など住まい探しも実施する。山崎慶子総務部長は「再犯防止はもちろん、地域との共生の観点から施設の役割や取り組みを広く知ってほしい」と述べた。(星野楽)

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家具や雑貨を展示即売、26、27日に「矯正展」

 麓刑務所では26、27日の午前9時半から、受刑者が作った革製キーホルダーや佐賀錦を使った印鑑ケース、家具などを展示販売する「ふもと矯正展」を開催。職員と所内の作業工場を見学するツアーもある。麓刑務所=0942(83)9196。

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