自転車愛好家、九州一円から 整備や競技 精通スタッフそろえ オーナー岩井さん「お客様と遊びながら」

西日本新聞 筑後版 片岡 寛

 久留米市野中町のスポーツ自転車専門店「イワイスポーツサイクル」が、1919(大正8)年の創業から100年を迎えた。老舗であるだけでなく、スポーツ自転車の世界では熱心なファンがつく有名店でもある。3代目オーナーの岩井公一さん(64)は「お客様と一緒に遊び、自転車文化を広めながら商売ができればという思いでやってきた」と、歩みを振り返る。

 岩井さんによると、同店は祖父の良雄さんが別の自転車店から独立して、現在地に「岩井自転車店」を開業して始まった。当時は修理が中心だったが、市内にあった陸軍関係からの修理依頼が多かったという。

 その後、2代目に当たる父親の一之さんが、55(昭和30)年ごろからスポーツ自転車を扱い始めた。当時、専門性の高い自転車を販売する店舗は珍しく、現在でも九州一円から愛好家が訪れる老舗だ。福岡市内にも系列店の「ジンジン福岡イワイ」を構える。

 愛好家から長く支持される理由は、自転車の整備や競技に精通したスタッフがそろっていること。「スタッフ全員が自転車好きで、店に来れば話が通じる」と岩井さん。自転車を購入する場合、専用の機器で腕や足の長さを1ミリ単位で測定し、サドルやハンドルの位置を一人一人に合うよう調整した上で納品する。乗り心地に差が出るという。

 店内には価格が100万円を超える自転車も並ぶ。国産ではブリヂストン、輸入品は欧米のメーカーが中心だ。

 5年ほど前まではオリジナルの自転車も販売していたが、材質が鉄からカーボンに変わり、次々に新商品が出てくるようになった。開発競争の激化で、一小売店ではメーカーと競争できなくなったという。

 一方で、岩井さんは自転車の販売や整備に加え、講習会やイベント、ロードレースの開催にも力を入れ、自転車の普及啓発やマナー向上にも積極的に取り組んできた。

 来月、福岡市内で常連客やメーカーの関係者を招いて創業100年の祝賀会を開く。岩井さんは「今までの100年ありがとう、これからの100年またがんばろうという、けじめのパーティーにしたい」と語った。 (片岡寛)

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