九重のバス、接続の悪さ観光客嘆く 高速バスに配慮なく 町民のJR利便性優先

西日本新聞 大分・日田玖珠版 鬼塚 淳乃介

 雄大な自然が広がる飯田高原(九重町)に行楽に行っているという福岡市の会社員男性(51)から、あなたの特命取材班に投稿が寄せられた。「九重町のコミュニティーバスと福岡からの高速バスの接続が悪く、乗るのをためらってしまう」。バスは飯田高原へ向かう唯一の公共交通機関で、マイカーを持たない人や車が運転できない高齢者などには大きな問題らしい。どうなっているのか-。

 バスは、町が運営する「コミバス」の九重縦断線。塚脇(玖珠町)と飯田交流センター(九重町)を結び、交流センター行きは平日5本、土曜6本、日曜祝日3本を運行している。

 途中の「九重インターチェンジ」で、高速バスで福岡方面から来た観光客がコミバスに乗り換えるが、高速バスの到着時刻とコミバスの出発時刻の差は多くが2~4分。中には、高速バス到着の2分前に出発する便もある。

 町の担当者に聞くと「確かに接続が悪いという声はある」と認める。「高速バスが渋滞で遅れているので出発を待って」という電話もあったといい、国土交通省九州運輸局の担当者も「乗り換え時間は5分以上に設定する方がいい」と指摘する。

 なぜ、こんなおかしなダイヤになったのか。九重町によると、高速バスなどとの接続も含めて利便性に配慮したダイヤ改正を昨年4月に住民に告知し、同10月に行う予定だった。その最中の同7月に西鉄グループの高速バスがダイヤ改正を実施。むしろ接続が悪い状態になったが、そのままコミバスのダイヤ改正を行ったという。

 だが、町は「改正を望む町民はそれほど多くない」との認識を示し、すぐに改正する予定はないという。

 大きな理由は、コミバスとJR豊後中村駅との接続。列車が出発する30分以内にバスが到着したり、列車到着後5分後にバスが駅を出発したりするようバスのダイヤは設定されており、高速バスをあまり利用しない町民は今のダイヤを歓迎しているようだ。

 では、このままでいいのか。九重町には飯田高原のほか、開業約10年で1千万人を集めた九重“夢”大吊橋(おおつりはし)など観光資源があり、今後は高齢者や外国人観光客など、車を持たない観光客の増加も見込まれる。九州運輸局の担当者も「コミバスは町民の意見が一番だが、観光客の意見も考慮することが望ましい」とする。町民か観光客かではなく、両方が折り合いをつけられるような配慮や調整がこれから、もっと求められてくるのではないだろうか。(鬼塚淳乃介)

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