台風19号の被災地に多くのボランティアの姿がある…

西日本新聞 オピニオン面

 台風19号の被災地に多くのボランティアの姿がある。何か手伝いたくて夜行バスに飛び乗ったという関西の女性。泥だらけになって家具を運び出す高校生たち。あの時の恩返しにと、以前被災した地域の人たちが炊き出しを

▼災害相次ぐこの国だけど、そのたびにあふれる善意を目にすると、この国も悪くないなと思える。いや、この国の人々だけではない

▼ラグビーW杯に出場したカナダ代表は、岩手県釜石市での最終戦が台風で中止となり、戦わずして最下位が決定。だが、選手たちは釜石に残り、冠水した地域で泥を取り除く清掃活動で別の汗を流してくれた。被災地支援は「ラグビー以上の価値がある」とつづったカナダ代表公式ツイッターにほろりとした

▼貧しい人々の救済に生涯をささげた故マザー・テレサの言葉が浮かぶ。「私たちは大きなことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです」

▼一方で被災者の傷口に塩を塗る「火事場泥棒」が。住民が避難した家を狙った空き巣や水に漬かった車の窃盗が相次いでいるという。市職員を名乗り、清掃費をだまし取ろうとした詐欺事件も。東京都台東区は、避難所に助けを求めたホームレスを門前払いに。規則通りのお役所仕事に小さな愛もなかったか

▼災害で荒れた町や村は努力によって復興できようが、災害に付け込むすさんだ心や、命に差をつける冷たい心の修復はどうすれば。

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