差別根絶へ「また長い闘い」 原告弁護団会見、気持ち新た

西日本新聞 社会面 森井 徹

 ハンセン病元患者家族に対する補償法案の骨子が決まった24日、家族訴訟の原告たちは判決を上回る救済策に安堵(あんど)の表情を浮かべつつ、これから始まる差別解消への取り組みを見据えた。「また長い長い闘いになる」。新たな一歩を、静かに踏み出した。

 原告弁護団が国会内で開いた記者会見。林力原告団長(95)=福岡市=は「名前も顔もさらしているごく少数の人が先頭に立ち、この地平をつくることができた」と運動の成果に達成感をにじませつつも、「まだ偏見や差別は続いている」と最後まで笑顔は見せなかった。

 療養所に強制収容されたまま人生を終えた父の思い出と、その存在を隠してきた自身の半生を振り返り、「どうしてこういう隔離政策があったのか。どういう人権侵害があったのか。国民の前に堂々と出て行って、ハンセン病とは何かを語っていきたい」と差別根絶をあらためて誓った。

 骨子は判決で請求棄却された原告も救済する内容で、原告の原田信子さん(75)は「そこは喜びたい」。原告に支給される補償金は1人当たり平均約170万円になり、判決の認容額の約58万円から3倍近くに増える内容となった。

 ただ、体験してきた苛酷な差別に見合う金額ではないとして、原告たちから「この国の人権に対する値段はこんなに安いのだろうか」などと不満も漏れた。

 弁護団の徳田靖之共同代表は「国はこの20年間、膨大な予算を割いて差別除去の活動をしてきたが、なぜ今も根強い差別が残っているのか。1年や2年では具体的な解決策は出ない」とし、「今日は次の課題に向けた第一歩。また力を合わせて闘っていこう」と呼び掛けた。 (森井徹)

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